地本申3号コーナー

E129系運用に伴う輸送障害の解消に向けた緊急申し入れ

最終更新日 2017年 7月 6日


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  ■ 申3号 E129系運用に伴う輸送障害の解消に向けた緊急申し入れ

2017年 1月11日申し入れ

 上越線の運用列車がE129系に車種統一されて初の冬期を迎えました。

 E129系の冬期運用に関して私たちは、冬期検証交渉等を通じて寒冷地で運用する車両としての走行性能等に対する検証の必要性を訴え、現場第一線で働く社員を代表して幾度となく警鐘を鳴らしてきました。しかし経営側は「営業列車での検証を行っていく」との回答に終始し、十分な検証がなされないまま運用が拡大されました。

 想定された問題はおろか、昨冬時点で既に発生していた事象・現象への対策さえ講じず今冬期を迎えた結果、2016年12月にはE129系の性能や構造に起因すると思われる事象発生により輸送混乱を招き、お客さまに多大なご迷惑をお掛けするに至りました。

 着雪によるパンタグラフの通電不能や、ディスクブレーキ凍結による起動不能などはいずれも昨冬に発生しており、本来は既に対策が講じられているべき事象です。

 本格的な冬を迎える以前から事象が相次いだことから、現場社員の不安は日に日に増すばかりで、現場管理者を含め指導、教育、対応に難渋しているのが実態です。

 輸送障害を最小限に抑える努力を怠らないことが労使共通の認識である「雪に強い鉄道」の実現に必要であり、お客さまからの信頼や、社員の働き甲斐の向上へと繋がります。その具体的実践が一つひとつの事象の原因を明らかにして対策を講じることであり、安全で安定した輸送に供し得る車両へと磨きをかける事であるとの認識です。

 従って、冬期における安全・安定輸送の実現と現場社員の不安を解消すべく、一刻も早い対策を求め下記の通り申し入れます。

 新潟支社の誠意ある回答を要請します。


  1. 12月11日、水上駅構内(下1)において1747Mの出区点検時に発生した通電不能の原因と対策を明らかにすること。
  2. 12月14日、水上駅構内において1751Mが発車した際に、ノッチ投入と共に発生した機器情報表示(OVR.ノッチオフ指示)の繰り返しにより力行不能となった原因と対策を明らかにすること。
  3. 12月29日、石打駅構内(留置3)において1720Mの出区時に発生したディスクブレーキ凍結による起動不能対策を明らかにすること。
  4. 12月29日、水上駅構内(中線)における1720M?1729Mの折り返し運用で発生したディスクブレーキ凍結による起動不能対策を明らかにすること。
  5. E129系のパンタグラフ上昇時の緩衝をなくすこと。
  6. E129系のパンタグラフ離線時に発生するVVVF及びSIVの保護動作を緩和させた車両を試験運用し、車両構造上の問題の有無を検証すること。また、検証結果を明らかにし、問題がなければ全編成に適応すること。
  7. E129系車両に関する事象・現象の発生後、現場において情報の共有化が出来る体制を構築すること。

以上

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      ■ 団体交渉の日程が決定!

      ★ 2017年 5月19日 10時30分より団体交渉を行います

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      ■ 団体交渉を終了!

      ★ 2017年 5月19日 10時30分より団体交渉を行いました

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      ■ 支社側の回答及び見解

    1. 12月11日、水上駅構内(下1)において1747Mの出区点検時に発生した通電不能の原因と対策を明らかにすること。

      回答:本事象の原因については、パンタグラフ集電舟への着氷及び着雪により通電不能となったものと推定される。
       なお、E129系の一部の編成のパンタグラフにおいて立上り力を調整し試行的に運用しているところである。

    2. 12月14日、水上駅構内において1751Mが発車した際に、ノッチ投入と共に発生した機器情報表示(OVR.ノッチオフ指示)の繰り返しにより力行不能となった原因と対策を明らかにすること。

      回答:本事象の原因については、パンタグラフ集電舟及び架線の凍結により離線と着線を繰り返すことで発生したと推定される。検知条件については、故障発生時の各機器への影響を考慮し、現行どおりで考えている。

    3. 12月29日、石打駅構内(留置3)において1720Mの出区時に発生したディスクブレーキ凍結による起動不能対策を明らかにすること。

      回答:E129系の制輪子固渋時については、限流値増による取扱いを周知したところである。

    4. 12月29日、水上駅構内(中線)における1720M?1729Mの折り返し運用で発生したディスクブレーキ凍結による起動不能対策を明らかにすること。

      回答: E129系の制輪子固渋時については、限流値増による取扱いを周知したところである。

    5. E129系のパンタグラフ上昇時の緩衝をなくすこと。

      回答:E129系の一部の編成のパンタグラフにおいて、立上り力を調整し試行的に運用しているところである。

    6. E129系のパンタグラフ離線時に発生するVVVF及びSIVの保護動作を緩和させた車両を試験運用し、車両構造上の問題の有無を検証すること。また、検証結果を明らかにし、問題がなければ全編成に適応すること。

      回答:検知条件の変更については、故障発生時の各機器への影響を考慮し、現行どおりで考えている。

    7. E129系車両に関する事象・現象の発生後、現場において情報の共有化が出来る体制を構築すること。

      回答: 今後も必要な情報については共有化していくことで考えている。

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      ■ 団体交渉のポイント

    • 水上駅構内において出区点検時に発生した通電不能の原因と対策について
      組合
      そもそも115系では起こらなかった事象がなぜ起こるようになったのか?
      支社
      115系はパンタグラフ上昇時の衝撃で雪や氷が落ちたと推定される。E129系は緩衝があることから落ちないと思われる。回答にある「立ち上がり力の調整」はパンタグラフへの積雪に対する効果を期待してのことであり、着氷については副次的に破壊されることを期待しての試行である
      組合
      試行はどのように行い、いつまで行うのか?
      支社
      立ち上がり力調整の試行はパンタグラフに不具合が出ないかを含めて次冬まで見ていく。車両センターは通常の検査を行うだけで良く、異常があれば車両課を主幹として試行が及ぼす影響かどうかを現場と共に判断していく
      組合
      E129系について耐寒耐雪性能を含めて「待望の新潟電車」と呼ぶに相応しい装備とは何なのか?
      支社
      即答できないので別途返す
      組合
      次冬で検証するとの会社姿勢だが、同じご迷惑をお客さまに押し付けることになることは認められない。人工的な手法で現象を再現するなど冬期前までに出来る検証はすべきだ
      支社
      試行でパンタグラフに悪影響が無ければ試行対象の編成を増やすなど検討する。緩衝を無くすことは構造上不可能と考えている

       

    • 水上駅発車時に、ノッチ投入と共に発生した機器情報表示(OVR.ノッチオフ指示)の繰り返しにより力行不能となった原因と対策 について
    • パンタグラフ離線時に発生するVVVF及びSIVの保護動作を緩和させた車両の試験運用による検証について
      支社
      主回路の保護動作の設定変更はメーカーとの協議の結果不可能と判断した。従って現状での対策を検討するしかない
      組合
      駅間で停車したのはほぼこの保護動作によるもの。止まったあと降雪により動けなくなる。回答だと毎年繰り返すしかないと受け止めるがどうなのか?
      支社
      VVVFの破壊により本当に動けなくなる事を懸念している。他に方法は無い
      組合
      他車種はどうなっているのか?
      支社
      「E」が付く電車には全て保護機能が付いている。
      組合
      A編成+A編成の4両固定運用にしてはどうか?
      支社
      片方の編成で保護動作した時に、もう片方の編成が活きるのか調べる
      組合
      車両特性が原因と解っていながらのお客さまへの迷惑は認められない。冬期提案まで勉強して対策を提案するような姿勢を見せるよう求める
      支社
      勉強はしていく

       

    • 石打駅留置3番線出区時、及び水上駅構内中線の折り返し運用で発生したディスクブレーキ凍結による起動不能対策について
      組合
      回答に「固渋」とあるが「凍結」とは違うのか?固渋の際の取り扱いなのか?
      支社
      「固渋」とは「凍結」という意味
      組合
      限流値増の取り扱いは本来どのような取り扱いか?
      支社
      限流値増はユニットカット時のトルク不足を補うものだが、凍結時の効果が認められたため、車両に与える影響を検討して耐えられることが確認されたため周知した。またこれまで議論してきた「凍結させない対策」は引き続き検討していく。この取り扱いはあくまでE129系のみであって、E653系などは指令判断となる
      組合
      E129系については運転士の判断で扱って良いとの周知だが、起動不能の原因が凍結であるとの判断をどのようにするのか?本当に固渋したり緩解不良かも知れない。また凍結に対して限流値増でフルノッチ投入すると相当な衝撃がある。旅客乗車中にこの取り扱いを行えば旅客負傷の懸念があるし、ワンマンや車掌の放送など運転士の判断だけでは済まない課題がある
      支社
      この取り扱いで旅客が怪我をしても運転士の責任ではない
      組合
      責任の話しをしているのではない。怪我をしても良いということか?この取り扱いでどのような弊害があるのか、無いのかを認識しているのか?
      支社
      わからない
      組合
      次の冬期までに整理すべきだ。凍らせない対策も引き続き行うとの回答だが、運転士の判断で限流値増を扱い、扱った報告も要らない中で凍結した事象や、その時の気象状況について今後どのように把握するつもりか?
      支社
      衝撃を含めた旅客への影響は考えていく。確かに凍結した事象を全て把握はできなくなるが凍らせない対策をしないということではない
      組合
      これまで車両センターは出動に備えてきた。限流値増の取り扱いができたことで出動しなくてよいという認識で良いか?
      支社
      出動要請は指令の判断である

       

    • E129系のパンタグラフ上昇時の緩衝をなくすこと
      組合
      立ち上がり力の調整がなぜ架線への押し上げ力と結びつくのか?
      支社
      そう考えていたが違うのであれば確認する
      組合
      緩衝は無くせないのか?
      支社
      構造上難しい。今ある条件の中での対策の検討となる
      組合
      緩衝そのものを調整できないか?
      支社
      確認する

       

    • E129系車両に関する事象・現象の発生後、現場において情報の共有化が出来る体制構築について
      組合
      車両に起因する事象が出たこと自体何も知らされない。一カ月毎の訓練でまとめて周知される現実。E129系のシステムやモニター表示の詳細は知らされていない
      支社
      周知の方法は勉強していく

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