地本申17号コーナー

保線部門におけるメンテナンス体制の最適化第一次申し入れ

最終更新日 2018年 7月23日


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  ■ 申17号 保線部門におけるメンテナンス体制の最適化第一次申し入れ

2018年 5月11日申し入れ

 2001年の「設備部門におけるメンテナンス体制の再構築」をはじめ、2010年の「設備部門におけるメンテナンス体制の改善」施策以降、設備職場で働く組合員は、採用断層の影響からくる世代交代に対応しつつ、技術継承という大きな課題を克服し、安全・安定輸送の確保のために職場で奮闘し質の高い労働力を提供してきました。

 今後、生産年齢人口の減少や少子高齢化という経営環境の厳しい情勢の中で、将来にわたって技術力の維持・向上を図りながら「安全・安定・安心な鉄道」を引き続き構築していかなければいけません。しかし、それをなし得るものは、「安全で働きがいの持てる職場」が前提であると認識しています。 

 4月27日に新潟支社より提案された今施策における具体的な解明を申し入れ、「現場感覚と技術的な判断に基づいた線路メンテナンス」を具体的に実現させていくために下記の通り申し入れます。

 新潟支社の真摯な回答を求めます。


 【共通】

  1. 設備部門におけるメンテナンス体制の再構築」をはじめとするこの間の効率化施策において、安全・技術継承における成果・課題について明らかにすること。
  2. 保線部門におけるJR本体が持つべき技術力の考え方を明らかにすること。
  3. 各保線技術センターの要員算出の根拠を明らかにすること。
  4. 各保線技術センターのエリア変更及びエリアセンター化で他系統との調整業務等、変更する内容を明らかにすること。またその周知方法を明らかにすること。

【線路設備モニタリングによる新たなメンテナンス手法の導入について】

  1. 「線路設備モニタリング」の導入スケジュールを明らかにすること。
  2. 「線路設備モニタリング」導入に伴い、装置・車両の故障等の理由に長期間データが取得出来ない場合の取り扱いを明らかにすること。
  3. 「線路設備モニタリング」の装置予備品の配置箇所を明らかにすること。
  4. 線路設備モニタリング装置のメンテナンス内容及びメンテナンス周期を明らかにすること。
  5. 「線路設備モニタリング」の現段階で判明している課題と対策を明らかにすること。

【閑散線区の保守業務の見直しについて】

  1. 7月1日実施に至るまでの業務移管スケジュール(システム、業務引き継ぎ、工事契約等)を明らかにすると。
  2. 越後湯沢エリアセンターの業務について明らかにすること。
  3. 閑散線区において「現場感覚と技術的判断」をおこなう為の考え方を明らかにすること。
  4. 閑散線区において、今後どの様に技術力向上を図っていくのか考え方を明らかにすること。
  5. 年間計画策定にあたり、業務フローを明らかにすること。
  6. 次年度以降の年間計画策定にあたり、考え方及び策定までのスケジュールを明らかにすること。
  7. エリア変更に伴う作業調整及び業務引継ぎのスケジュールを明らかにすること。
  8. 異常時対応について、業務フローを明らかにすること。
  9. 災害警備に伴い、JRが対応する場合の考え方を明らかにすること。
  10. 災害警備においてJRが対応する場合の指揮命令系統の考え方を明らかにすること。
  11. 予防保全から随修保全に切り替わる際の予算についての考え方を明らかにすること。
  12. 線路諸標の点検、保守を今後どの様におこなっていくのか考え方を明らかにすること。
  13. 削減される要員の社員運用について明らかにすること。
  14. 新設される資格について具体的な教育・認定方法・資格保有期間を明らかにすること。

【保線部門の技術支援体制の再整理について】

  1. 業務の効率化を進める施策提案時に技術支援体制の再編を行い、要員を減とする理由を明らかにすること。

以 上

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  ■ 団体交渉の日程が決定!

  ★ 2018年 5月29日 10時00分より団体交渉を行います

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  ■ 団体交渉を終了!

  ★ 2018年 5月29日 10時00分より団体交渉を行いました

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  ■ 支社側の回答及び見解

 【共通】

  1. 設備部門におけるメンテナンス体制の再構築」をはじめとするこの間の効率化施策において、安全・技術継承における成果・課題について明らかにすること。

    回答:軌道状態の把握については、変位の発生状況、列車動揺及び材料の損耗、座屈安定性など様々な観点から把握し、適時適切な整備に努めてきたところである。
     また、安全については安全担当者の配置や、技術継承のための体制として、教育担当者の配置や新入社員に対する研修、訓練設備の充実と活用により強化を図り、保線技術の維持向上を図ってきたところである。

  2. 保線部門におけるJR本体が持つべき技術力の考え方を明らかにすること。

    回答:メンテナンスに係る技術は時代とともに発展してきており、その時の環境や進展にあわせて変化させていくものであると考えている。

  3. 各保線技術センターの要員算出の根拠を明らかにすること。

    回答:業務運営に必要な要員については引き続き確保していくことで考えている。

  4. 各保線技術センターのエリア変更及びエリアセンター化で他系統との調整業務等、変更する内容を明らかにすること。またその周知方法を明らかにすること。

    回答:越後湯沢保線技術センターをエリアセンターとして、長岡保線技術センターに集約する。また、新潟保線技術センター新津派出を廃止するものである。なお、越後湯沢エリアセンターは現在の越後湯沢保線技術センターに設置することで考えている。

【線路設備モニタリングによる新たなメンテナンス手法の導入について】

  1. 「線路設備モニタリング」の導入スケジュールを明らかにすること。

    回答:搭載については、2020年度中に概ね終了する計画である。

  2. 「線路設備モニタリング」導入に伴い、装置・車両の故障等の理由に長期間データが取得出来ない場合の取り扱いを明らかにすること。

    回答:速やかに修繕を行う事を基本とするが、修繕に時間を要す場合については予備装置と交換を行うこととなり、なお、データが取得出来ない場合の線路総合巡視等で代替えすることで考えている。

  3. 「線路設備モニタリング」の装置予備品の配置箇所を明らかにすること。

    回答:装備の予備品については、定期点検の際にも使用することから12支社で運用していく考えである。

  4. 線路設備モニタリング装置のメンテナンス内容及びメンテナンス周期を明らかにすること。

    回答:点検整備は、1年に1回実施する年次点検と4年に1回実施する全般点検A及び8年に1回実施する全般検査Bとなる。なお、点検する箇所については外観、要部の状態、作動状態の点検、一部部品交換の整備を行うことで考えている。

  5. 「線路設備モニタリング」の現段階で判明している課題と対策を明らかにすること。

    回答:モニターランやトライアル等により無人測定や装置の部品に関して課題を抽出し、それぞれ改良や取り扱いの明確化など対策を講じてきているところである。

【閑散線区の保守業務の見直しについて】

  1. 7月1日実施に至るまでの業務移管スケジュール(システム、業務引き継ぎ、工事契約等)を明らかにすると。

    回答:実施日を7月1日とし、前後の期間で必要な切り替え業務を行うことを考えている。

  2. 越後湯沢エリアセンターの業務について明らかにすること。

    回答:越後湯沢エリアセンターでは、主として運転、保安及び作業調整や沿線地域に関わる協議の企画業務、計画的な修繕に関わる計画の策定及び工事関係業務、検査計画及び軌道状態の管理に関わる軌道管理業務、災害警備等の発動及び運転規制解除の判断を行うことで考えている。

  3. 閑散線区において「現場感覚と技術的判断」をおこなう為の考え方を明らかにすること。

    回答:保守の管理を担う事業者の立場から状況を把握し、計画的に進める修繕や設備投資の判断を行うとともに、パートナー会社が実施する日々の業務に対して必要な判断を行っていくことで考えている。

  4. 閑散線区において、今後どの様に技術力向上を図っていくのか考え方を明らかにすること。

    回答:閑散線区においては保守の管理に特化した業務となることから、PDCA全体を俯瞰しながら線路のメンテナンスする技術の習得に適した環境となる。そのため、技術継承の側面においては、OJTや設備訓練センターを活用した教育訓練に加え、実際にメンテナンスサイクルを実施する場として技術力向上に資していくことを考えている。

  5. 年間計画策定にあたり、業務フローを明らかにすること。

    回答:当社が提示する次年度計画の策定方針に応じて、パートナー会社が必要な修繕箇所を検査結果から抽出し、修繕提案書として当社に提出する。提出を受けた当社は、修繕提案書のほか施策的修繕メニューを加味して年間計画を策定していくことで考えている。

  6. 次年度以降の年間計画策定にあたり、考え方及び策定までのスケジュールを明らかにすること。

    回答:例年7月に支社から現業機関に年間計画の方針説明をし、9月にヒアリングを行っているが、今年度についても同様に考えているところである。なお、必要により時期は前後することもあると考えている。

  7. エリア変更に伴う作業調整及び業務引継ぎのスケジュールを明らかにすること。

    回答:エリア変更に伴う業務の引き継ぎについては関係する保線技術センターで調整を行うこととなる。なお、契約に関しては、隣接保線技術センターの所長に対し施工委任することで施策実施前から契約の権限を付与し、業務が円滑に行えるようにすることで考えている。

  8. 異常時対応について、業務フローを明らかにすること。

    回答:監督員からの指示によりパートナー会社が対応することとなる。

  9. 災害警備に伴い、JRが対応する場合の考え方を明らかにすること。

    回答:急遽の事象や対応が長時間になる場所などで、パートナー会社での要員確保に相当な時間を要しJRで体制を確保できる場所は、事業者としてJRにおいて対応することで考えている。

  10. 災害警備においてJRが対応する場合の指揮命令系統の考え方を明らかにすること。

    回答:保線技術センター所長等の指示により対応することとなる。

  11. 予防保全から随修保全に切り替わる際の予算についての考え方を明らかにすること。

    回答:必要な予算については確保することで考えている。

  12. 線路諸標の点検、保守を今後どの様におこなっていくのか考え方を明らかにすること。

    回答:線路検修工事標準仕様書(別冊)に追加仕様を行い、パートナー会社で点検、保守を行うことで考えている。

  13. 削減される要員の社員運用について明らかにすること。

    回答:社員の希望や状況等については、自己申告書に基づく個人面談等を実施し、前広に把握しているところである。なお、社員の運用については、任意の基準に基づいて取り扱うこととなる。

  14. 新設される資格について具体的な教育・認定方法・資格保有期間を明らかにすること。

    回答:認定線路技術者(統括)と認定線路技術者の資格については、認定線路技術者制度で定める講習を受講し、一般社団法人日本鉄道施設協会会長、地方機関の長が認定することとなる。

【保線部門の技術支援体制の再整理について】

  1. 業務の効率化を進める施策提案時に技術支援体制の再編を行い、要員を減とする理由を明らかにすること。

    回答:検査から修繕までの適正な業務運営を引き続き実施するため、各保線技術センターが日々抱える技術的課題について、現場の状況に応じた専門的かつ機動的な支援を実施するため、技術教育科の業務を見直し再配置することで考えている。

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  ■ 団体交渉のポイント

【共通】

  • この間の効率化施策における安全・技術継承における成果・課題について
    支社
    成果としては、設備管理のプロ・施工管理のプロの育成において教育の充実を図ってきた所であり今日の安全・安定輸送がなされている。課題においては特にはない
    組合
    課題はないというが現場において考えられないミスも発生している
    支社
    細かいこと等はあるが大きな課題はないと認識している

  • 保線部門においてJR本体が持つべき技術力の考え方について
    支社
    設備・施工管理のプロ。検査・作業・判断力・ルール規定理解した上で正確に活用すること。これからお客さまに求められるのはスピード。技術革新必要である
    組合
    7年で一人前と言われているがその判断基準はあるか?
    支社
    技術育成シートで判断している

  • 各保線技術センターの要員算出の根拠について
    • 設備・業務量で判断。その中身は休日、会議、研修

  • エリア変更及びエリアセンター化における他系統との調整業務等の変更する内容と周知方法について
    • 周知方法については社報で6月下旬となる。他の部署には説明資料と併せて説明する
    • 変更する内容は越後湯沢がエリアセンターとなるため、間合い調整会議について今後は長岡保線技術センターに招集して行うこととなる

【線路設備モニタリングによる新たなメンテナンス手法の導入について】

  • 線路設備モニタリングの導入スケジュールについて
    支社
    2020年にすべて導入する。最終的にすべて導入された2020年に人員整理をする。2019年第1四半期で取り付けを終わらせたい。取り付けはパートナー会社
    組合
    提案で気動車にはモニタリング装置を取り付けない、新潟支社ではやらないと言われたが、実際には新津所属のキハ110系に取り付けられている。話が違うのでは?
    支社
    新潟支社ではやらない。新津所属の気動車は「テクニカルセンターのテクノロジー」で取り付け、新津では取り付けていない。新潟支社で気動車に関しては計画していない

  • 長期間データが取得出来ない場合の取り扱いについて
    • 基本はメーカーが調べるがルール化をしなければならないと考えている。支社の独自のルールをつくる
    • 故障時に再度見回りする際は、総合巡視はしない。列車巡視で考えている

  • 線路設備モニタリング装置のメンテナンス等について
    • 装備の予備品は東京で一括管理。お金も東京支社が管理
    • 点検項目等は車両整備標準に記載されている。平成29年6月1日に通達文書を出してある
    • キハ110系に取り付けてあるモニタリング装置はテクニカルセンターが取り付けた。点検等を実施しているのかは把握していない

  • 現段階で判明している線路設備モニタリングの課題と対策について
    • 塩害についての対策は今のところ具体的なものは考えていないが検討課題
    • 草なども課題だが、除草薬の散布は色々な規制があり厳しい

【閑散線区の保守業務の見直しについて】

  • 7月1日の実施に至るまでの業務移管スケジュールについて
    組合
    長岡保線技術センターでの説明会では6月11日が最終竣工、6月11日から長岡で見るとされている。P社は作業できるが保線システムが6月30日まで改修かかる。3週間分の負担増はどうなるのか。工事契約のやり方負担かからないならシステムも早くすること。トラムスの変更は?
    支社
    今の段階ではない。3週間の負担は一過性で出る
    組合
    この間安全管理についてJRがP社に急遽の変更しないと言ってきたにも関わらず今回、日々P社は安全リスクを背負っている。12月1日の方が作業良い。相当負担リスク背負っている。
    支社
    技術支援とか様々考えて7月1日提案させてもらい、出来るとの判断をした
    組合
    理解できない。労働側の意見だが、安全りすくで現場が大変な思いをしている。今後も議論させてもらう

  • 閑散線区において「現場感覚と技術的判断」を行うための考え方について
    組合
    具体的にイメージがわかない。現場感覚はどうなりえるのか。技術力はどうやってつくのか
    支社
    「イーストアイ」などで見に行ったり、モニタリングが入ればモニターを見ながら出来る。設備的判断。モニタリングが入らなければ厳しいが、全ての判断2年間の話において技術的判断は難しい
    組合
    新入社員はどうやって育てていくのか?
    支社
    検討中。教育方法だけでなく
    組合
    現場判断力2年間難しいと言われると施策2年後にやればいい。一つの考え方として受け止めるが現場としてはだダメだと言わざるを得ない

  • 年間計画策定にあたっての業務フローについて
    • 今年度JRで策定、P社へ出して別冊規程で組んで、JRへ。JRはルール外れてないか見てOKを出す
    • 来年度施策実施後、向うで検査、修繕P社から提案書。JRが見て判断する
    • 例年7月から支社から改良工事計画について現業機関に年間計画を伝える。JRが現業機関に7月上旬に説明 → 7月中旬から下旬に入る前にパートナー会社に方針提案 → パートナー会社はJRに9月のヒヤリングまでに修繕提案書を提出

  • エリア変更に伴う作業調整及び業務引継ぎのスケジュールについて
    • 6月下旬に引き継ぎ、紙ベースだけでない。7月1日後トラムスのシステム変更はJESでやる。移行期、超勤が発生するが最小限にとどめる

  • 異常時対応の業務フローについて
    • 施設指令 → 当番 → P社呼び出し。エリアセンターの当番科長は長岡保技セにいる可能性ある
    • 人身事故はJRとP社員同時出動、それ以外、初動はP社員

  • 災害警備におけるJRが対応について
    •  長雨での警備で長時間になり、P社員とJR社員が交代する場合でも、JR社員が配下となる交替はあり得ない。JR社員が責任者となる

  • 予防保全から随修保全に切り替わる際の予算の考え方について
    •  発生主義となり機械運用等コストアップしても確保する。出来ないとは言えない

  • 線路諸標の点検、保守の考え方について
    組合
    キロポスト等は建てなけばいけないと定められている。現在JRでも出来ていないものが何故P社で出来るのか?
    支社
    災害など予期せぬ部分が無ければ出来る。1つでも2つでも補修していく

  • 削減される要員の社員運用について
    組合
    施策を担う側、最適化の現場の想いが重要。ベテランは「どうせ出向か」「もう関係ない」となっている。会社も認識を。人手不足だとか述べているが採用増やせと本社にこの間行ってきたかが問われている。それで先輩が技術力経験値必要なのに主張したい
    支社
    会社も考えている。ベテラン諦めない様に意識付けしていく

  • 新設される資格の具体的な教育、認定方法、資格保有期間について
    • プロパーは通算7年が一般、出向者は職制(主任)、保有期間は3年。(統括)になるには受ける講習が増、経験によるが7年以上
    • 2つに分けた意味は、一定の線引き。判別出来る、計画修繕出来る

【保線部門の技術支援体制の再整理について】

  • 技術支援体制の再編を行い要員減とする理由について
    • 要員数減が先では無くて、枠組みを変えた結果。今までは多岐に渡っていた。専門講師は依頼していく
    • 支社の中でどういう教育をしていくのか?分野ごとにわけて、携わっていく中での再配置していく

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