地本申1号コーナー

2018年度「冬期の取組み」に対する申し入れ

最終更新日 2019年 7月13日


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  ■ 申1号 2018年度「冬期の取組み」に対する申し入れ

2018年11月2日申し入れ

 昨冬期は、近年にないほどの大雪に見舞われ、新潟支社管内で多くの輸送障害が発生しました。冬期体制前の降雪により、輸送障害が発生したのをはじめ、列車の運休や遅延、運転不能となる事象が相次ぎました。また、信越本線444Mが東光寺~帯織間で15時間以上にわたり立ち往生するなど、新潟支社管内で長時間にわたり運転見合わせる事態も発生しました。そのような中、申23号「2017年度冬期に発生した問題に関する申し入れ」で昨年の教訓を活かす為に、労使で議論を重ね認識の一致を図ってきたところです。 

 10月10日に標題について提案を受けました。この間の冬期検証交渉などを通じて主張してきた内容が一定程度取り入れられたことは評価できる一方で、現場の実態に照らし合わせれば、まだ不足する部分や改善の余地が見受けられるとの認識です。 

 JR東日本労働組合は、より確実かつ効果的な対策を講じることで、より安全で安定した冬期輸送を実現するために、現場第一線で働く社員の声に基づき下記の通り申し入れますので、新潟支社の誠意ある回答を要請します。


  1. 長岡車両センターに専用MRを配備すること。
  2. 簡易型乗用除雪機「とらん丸」の教育体制について明らかにすること。また、運用基準・計画を配備箇所ごとに明らかにすること。
  3. 車両に搭載するデスコン棒を取り扱う箇所へ教育を行うこと。
  4. E129系ブレーキディスク凍結対策を行うこと。
  5. E129系ブレーキディスク凍結対応及びパンタグラフ上昇対応の為、村上駅・新発田駅・吉田駅・柏崎駅に検修社員を配置すること。
  6. 制輪子凍結対応の検修社員派遣の際、その取扱いと実施日を関係個所に周知徹底すること。
  7. 冬期における信越B卓と常時連絡が取れる体制を構築すること。
  8. 雪害時における運転規制標準の内容を明らかにすること。
  9. ビームからの落雪が予想される場合の注意運転速度の根拠を明らかにすること。
  10. 雪況カメラ映像を基にした運転可否の判断は、誰が何を基準に行うのか明らかにすること。
  11. 除雪間合いで列車を運転させないこと。
  12. ホームの無い線路に着発線変更で旅客列車を進入させないこと。
  13. ポイント不転時、乗務員に除雪させないこと。
  14. 冬期間における新潟支社の踏切故障の取り扱いについて明らかにすること。
  15. E653系トイレ故障対策を明らかにすること。
  16. 越後湯沢駅の冬期要員(営業)を3月末日までとすること。
  17. 越後湯沢・ガーラ湯沢駅の公募制に何名の応募があったか明らかにするとともに、 公募制により応募のあった社員は冬期要員とせず、冬期要員とは別に配属させること。
  18. 各駅前ロータリーの除雪体制を明らかにすること。
  19. 上沼垂信号場構内の95号、96号、41号のポイントヒーターの効果を改善すること。
  20. 上沼垂信号場構内、紫竹踏切の3D障害物検知装置を雪に反応しない構造とすること。
  21. 上沼垂信号場の冬期間泊り勤務を2名体制とすること(当務助役除く)
  22. バスによる代行輸送を実施する基準を明らかにすること。
  23. 新潟駅高架部分及び新潟駅高架電留線の除雪体制を明らかにすること。
  24. 消雪設備のメンテナンスは、定期的にメンテナンスできる仕組みとすること。
  25. 長鳥駅下り本線に軌間内消雪シートを設置すること。
  26. 長岡駅構内のスプリンクラー水が出るように改善すること。
  27. 旧越後湯沢保線技術センターで行っていた冬期間整備業務について今冬期はどこがおこなうのか明らかにすること。また、その業務フローを明らかにすること。
  28. 投排雪・MRの教育内容・計画を明らかにすること。
  29. 長岡駅構内の流雪溝の使用の可否をあきらかにすること。また、流雪溝の使用用途を明らかにすること
  30. 信越北(長岡~羽生田間)の投排雪保守用車の運用基準を明らかにすること
  31. 除雪優先順位で、運輸区・車両センターの車両基地の優先ランクが見直されたが、具体的な除雪体制の考えかたを明らかにすること。
  32. 越後湯沢エリアセンター管内の除雪体制を明らかにすること。また、従来と直外区分の変更がある業務内容を明らかにすること。

以上

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      ■ 団体交渉の日程が決定!

      ★ 2018年11月21日 10時00分より団体交渉を行います

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      ■ 団体交渉を終了!

      ★ 2018年11月21日 10時00分より団体交渉を行いました

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      ■ 支社側の回答及び見解

    1. 長岡車両センターに専用MRを配備すること。

      回答:除雪機械については、関係線区全体の除雪体制などを考慮しながら配備しているところである。

    2. 簡易型乗用除雪機「とらん丸」の教育体制について明らかにすること。また、運用基準・計画を配備箇所ごとに明らかにすること。

      回答:簡易型乗用除雪機械の教育については、保守用車構造等基準(規程)における軌陸車に準じて取り扱う考えである。    
      運用については、管理箇所である保線技術センターと配備箇所が打合せのうえ決定することとなる。

    3. 車両に搭載するデスコン棒を取り扱う箇所へ教育を行うこと。

      回答:必要な教育については、実施していくことで考えている。

    4. E129系ブレーキディスク凍結対策を行うこと。

      回答:E129系の制輪子固渋については、滞泊駅における留置位置変更や状況に応じた限流値増による取扱い、気象条件を考慮した検修社員の派遣等により対応していくことで考えている。

    5. E129系ブレーキディスク凍結対応及びパンタグラフ上昇対応の為、村上駅・新発田駅・吉田駅・柏崎駅に検修社員を配置すること。

      回答:気象条件を考慮した検修社員の派遣等は、必要により行っていく考えである。

    6. 制輪子凍結対応の検修社員派遣の際、その取扱いと実施日を関係個所に周知徹底すること。

      回答:外部気象情報を基に、翌朝の予想気温や風速・降雪状況等を考慮し、関係個所へ社員派遣を要請しているところである。

    7. 冬期における信越B卓と常時連絡が取れる体制を構築すること。

      回答:乗務員と輸送指令の連絡については、無線機や各指令卓の携帯電話等で対応しているところである。

    8. 雪害時における運転規制標準の内容を明らかにすること。

      回答:「異常時における輸送対策標準」に記載しているところである。

    9. ビームからの落雪が予想される場合の注意運転速度の根拠を明らかにすること。

      回答:ビームからの落雪が車両に接触する恐れがある場合は、注意運転を実施したうえで、設備社員による状協確認を行うとともに、必要により列車の運行を取り止めたうえで除雪を行うことで考えている。

    10. 雪況カメラ映像を基にした運転可否の判断は、誰が何を基準に行うのか明らかにすること。

      回答:雪況カメラについては、降積雪情報を収集するためのツールの一つとして使用していく考えである。

    11. 除雪間合いで列車を運転させないこと。

      回答:降積雪時の除雪については、外部気象情報や現場からの情報等に基づき、計画的な除雪及び早めの運転計画の決定に努めていく考えである。

    12. ホームの無い線路に着発線変更で旅客列車を進入させないこと。

      回答:異常時の輸送手配については、関係個所と打合せを行い、計画的に行っていく考えである。

    13. ポイント不転時、乗務員に除雪させないこと。

      回答:降積雪時については、状況に応じ対応していく考えである。

    14. 冬期間における新潟支社の踏切故障の取り扱いについて明らかにすること。

      回答:踏切故障通告受領時については、踏切内の安全を確認のうえ運転することとなる。

    15. E653系トイレ故障対策を明らかにすること。

      回答:E653系トイレ水凍結対策については、留置の際に水配管の水が抜けるよう、水抜き逆止弁を設置することで考えている。

    16. 越後湯沢駅の冬期要員(営業)を3月末日までとすること。

      回答:越後湯沢駅における冬期体制については、多客対応等を総合的に勘案し、設定しているところである。

    17. 越後湯沢・ガーラ湯沢駅の公募制に何名の応募があったか明らかにするとともに、 公募制により応募のあった社員は冬期要員とせず、冬期要員とは別に配属させること。

      回答:公募制による異動者については、異動先の業務に従事することとなる。    
      なお、社員の運用については、任用の基準に基づいて取り扱うこととなる。

    18. 各駅前ロータリーの除雪体制を明らかにすること。

      回答:当社敷地内における駅前ロータリーについては、可能な限り除雪を行っていくことで考えている。

    19. 上沼垂信号場構内の95号、96号、41号のポイントヒーターの効果を改善すること。

      回答:上沼垂信号場95号ポイントヒーターについては、昨冬期不具合が発生したため修繕を行ったところである。    
      なお、設備改良については、支社内の優先順位を勘案しながら検討することとなる。

    20. 上沼垂信号場構内、紫竹踏切の3D障害物検知装置を雪に反応しない構造とすること。

      回答:3次元レーザレーダー障害物検知装置は、確実な車の検知と、完全に雪に反応させない構造を両立させることは、現時点で困難である。    
      なお、雪による影響を最小限に留めるべく、研究開発センター・メーカーの協力を得ながら、検討を継続しているところである。

    21. 上沼垂信号場の冬期間泊り勤務を2名体制とすること(当務助役除く)

      回答:社員の運用については、任用の基準に則り、本人の適性等を総合的に勘案し決定することとなる。

    22. バスによる代行輸送を実施する基準を明らかにすること。

      回答:新潟支社事故・災害等応急処理手続(規程)に基づき対応することとなる。

    23. 新潟駅高架部分及び新潟駅高架電留線の除雪体制を明らかにすること。

      回答:新潟駅高架部分は、貯雪式高架橋を採用しているため、積雪による影響は低減されると考えている。

    24. 消雪設備のメンテナンスは、定期的にメンテナンスできる仕組みとすること。

      回答:消雪設備のメンテナンスについては、実施基準等に基づき実施しているところである。

    25. 長鳥駅下り本線に軌間内消雪シートを設置すること。

      回答:設備投資計画については、支社内の優先順位を勘案しながら検討することとなる。

    26. 長岡駅構内のスプリンクラー水が出るように改善すること。

      回答:長岡駅構内の散水消雪設備については、井戸の掘り替えや配管改良を行ったところである。

    27. 旧越後湯沢保線技術センターで行っていた冬期間整備業務について今冬期はどこがおこなうのか明らかにすること。また、その業務フローを明らかにすること。

      回答:越後湯沢保線技術センターで行っていた消雪設備の冬期前点検については、長岡保線技術センター及びパートナー会社で行うこととなる。

    28. 投排雪・MRの教育内容・計画を明らかにすること。

      回答:除雪機械の教育については、実施基準等に基づき実施しているところである。

    29. 長岡駅構内の流雪溝の使用の可否をあきらかにすること。また、流雪溝の使用用途を明らかにすること

      回答:流雪溝は、流水の運搬作用により雪塊を流して排雪する設備であり、長岡駅構内の流雪溝については、冬期前までに点検を行う考えである。

    30. 信越北(長岡~羽生田間)の投排雪保守用車の運用基準を明らかにすること

      回答:降積雪時の除雪については、外部気象情報や現場からの情報等に基づき、計画的な除雪及び早めの運転計画の決定に努めていく考えである。

    31. 除雪優先順位で、運輸区・車両センターの車両基地の優先ランクが見直されたが、具体的な除雪体制の考えかたを明らかにすること。

      回答:除雪優先順位を念頭に置いた輸送確保を行うとともに、運輸区・車両センター構内の除雪間合い確保を行い、柔軟な体制による除雪を実施していく考えである。

    32. 越後湯沢エリアセンター管内の除雪体制を明らかにすること。また、従来と直外区分の変更がある業務内容を明らかにすること。

      回答:上越線・只見線の除雪については、長岡保線技術センター及びパートナー会社で行うこととなる。

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      ■ 団体交渉のポイント

    • 長岡車両センター専用のMR配備について
      • 長岡車両センター構内の除雪を車両センターの社員が行える体制の整備についての検討は要員、設備投資の問題により進んでいない
      • 長岡車両センターにあるMRは本線除雪用であるが、車両センター構内を除雪しない訳ではない
      • 車両センターの位置付けが重要だということは認識している。
      • パートナー会社による車両センター構内の支障箇所等の確認は出来ていない。12月15日までに、訓練会を実施していく
    • 簡易型乗用除雪機械「とらん丸」について
      • 配備は11月30日?12月1日頃となる。教育は配備され次第実施する
      • 教育は机上と実技で半日程度。教育についてはメーカーが実施するが、12月15日までに全社員とはならず水平展開で考えている
      • 水平展開は教育が終わった人から別の人に伝える。1人乗りなので除雪している側で歩きながらの指導という形になる
      • 教育を行う社員については各車両センター等の配備箇所で決定する。柏崎駅については駅長のみ教育をする。今冬はグループ会社、パートナー会社社員の使用は考えていない
      • 導入の目的は駅間で雪を抱えて停車した列車の救援。そのような場面は多くないので、車両センターなどで活用する
      • 本線での救援の必要が生じた場合は車両センター等の「とらん丸」を使用するため、その間は車両センター構内の除雪は出来ない。それにより入出区が出来なくてもやむを得ない
      • 財産管理は保線技術センター、給油は使用箇所、修理なども使用箇所からトランシスに電話し保線技術センターにも同時に連絡することで考えている
      • 車両センターの社員は車両センター構内のみで使用。本線については保線技術センターの社員が乗る
      • 軌陸タイプだが、規程上は軌陸車ではない。駆動はタイヤ。フランジャーはない
      • アウトリガーはない。軌陸車や保守用車、MRのような救援用の連結棒もない。足を外したり動けなくなったときにどの様に復旧するのかは確認をする
    • 雪況カメラについて
      • カメラの映像を見ることができるのは施設指令と各保線技術センター、エリアセンター
      • 降積雪情報を収集するためのツールの一つとして使用する。運転の可否の判断は乗務員など現場からの情報、判断に基づく
      • あくまでツールの一つであり、導入で輸送障害が直ぐに減るかはイコールではない
      • 長鳥駅の軌間内消雪シートについては、井戸水が期待できないため深く掘るか、別の装置にするかとなる。雪況カメラをつけたので、積雪を見て除雪をするしかない
    • 道付けのための回送列車運転について
      • MRでの除雪から営業列車の運転まで間隔が空く場合に、積雪防止のために回送列車を走らせる可能性はある
      • 除雪を目的に回送列車を走らせることはない
    • 乗務員によるポイント除雪について
      • ポイント不転時に乗務員に除雪対応を依頼するケースは発生しないとは言い切れない。状況を見に行ってもらうようなことは発生しないとはいえない
      • 指令からの依頼に対して乗務員が「出来ない」と回答したものに対して、それを上回る指示は行わない
    • ポイント不転対策について
      • 昨冬不転換が発生した上沼垂信号場構内のポイントのうち、95号はヒーターに絶縁不良が発生したため修繕済。96号、41号は不転換が多数発生した状況は把握しているものの検査の結果設備的に問題は無く、ヒーターとしての能力は発揮している
      • ポイント不転の発生によりホームの無い線路に列車を入れたため次の駅からタクシー手配という取扱いを行った岩船町駅、越後川口駅のポイントについても融雪設備はついている。能力向上にも費用がかかるため、改良は優先順位を勘案してとなる
    • 信越B卓の体制について
      • 要員については配置している。端末自体が2つしかないので、人や電話を増やしても操作できる端末に限りがある
      • 輸送指令と連絡がつかない場合は、施設指令に連絡してほしい。施設指令から情報共有を行っていく
        組合
        保守用車を仕舞えなかった、仕舞うための連絡が取れなかったという話であり、連絡を取れる体制を取るようにという要求だ。安定輸送にかかわる。保守用車専門の手配要員を付けて欲しい
        支社
        保守用車を納めるだけなのにという課題はあるが機械的に限度がある。本線の構成はあるが、指令も問題の共有化はしている。今冬の運転整理でどのような結果が出るかだが、早めに収めるという共有化はしている
    • 越後湯沢駅の冬期要員について
      • 多客対応が大変だと言う現状は理解している。サービスマネージャー等も活用してもらいたい
      • 検討課題とはするが、早急に解決とはならない。部外能力も活用していく
      • 越後湯沢駅に公募制で異動する社員は要員数に組み込まれるため、標準数を上回った場合はその人数が冬期要員3名から除かれる
        支社
        意欲ある社員であり、冬期も仕事はしっかりできる。インバウンドについても、ガーラ湯沢や越後湯沢などこの時期でしか出来ないこともある。駅一丸となって盛り上げてもらいたい
        組合
        意欲は解るが意欲と現実、即戦力というものは違う。冬期の提案における+3の目的は多客対応であり、公募制の目的としてそぐわない
    • 上沼垂信号場の冬期間泊まり勤務について
      • 冬期間泊まり勤務を当務助役除く2名体制として欲しいという声は現場からは届いていない
      • 上沼垂信号場の泊り勤務は夜間1人体制で、何かあれば寝ている人を起こすことが所定の姿であり、対応の際は列車を停止させることから作業の安全は確保できている
      • 冬期において毎日専ら対応する作業が無いことから現状の体制で問題ない

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