地本申8号コーナー

モニタリング装置本運用に関する申し入れ

最終更新日 2019年 4月23日


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  ■ 申8号 モニタリング装置本運用に関する申し入れ

2019年 2月 8日申し入れ

 1月29日モニタリング装置の本運用開始の通達が各職場において掲示されました。昨年の団体交渉において、モニタリング装置は2020年一斉本運用開始と労使で確認してきましたが、新潟支社は「精度があがりエラーが少なくなってきている」、「現場社員から本運用を求める声があがっている」、「現場は十分本運用できる状態にある」事を理由としモニタリング本運用を開始しました。

 しかし、現場で働く社員からは本運用に対し多くの疑問、問題点があげられています。現場で働く社員が安心して業務を遂行できる環境を整えることが会社の責任であり、安全・安定輸送に必要不可欠であると考えます。

 よって下記の通り申し入れますので新潟支社の真摯な回答をお願いします。


  1. モニタリング導入にあたり、取り扱う担当者が固定化しないよう現場教育を充実させること。
  2. 材料モニタリングの「NG判定箇所」の判定処理は取り扱う担当者のみの判断とせず、現場でのチェック体制を構築すること。
  3. 材料モニタリングにおいて砕石、草等により「NG判定箇所」が発生した場合、現場負担増とならないようにすること。
  4. 材料モニタリングの「NG判定箇所」の再判定する場合、判断基準を明確化すること。
  5. 「冬期間」のアラートメールについては配信を行わないこと。
  6. 今後トライアル実施線区においては、十分な検証が行われない限り本運用は行わないこと。また本運用するにあたり現場で混乱が生じない様に連携を確実にとること。

以上

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  ■ 団体交渉の日程が決定!

  ★ 2019年 2月25日 13時30分より団体交渉を行います

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  ■ 団体交渉を終了!

  ★ 2019年 2月25日 13時30分より団体交渉を行いました

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  ■ 支社側の回答及び見解

  1. モニタリング導入にあたり、取り扱う担当者が固定化しないよう現場教育を充実させること。

    回答:これまでも、線路設備モニタリング巡視機能を操作できる社員の教育を行ってきたところであり、今後も継続していく考えである。

  2. 材料モニタリングの「NG判定箇所」の判定処理は取り扱う担当者のみの判断とせず、現場でのチェック体制を構築すること。

    回答:各保線技術センターにおいて、線路設備モニタリング巡視記録簿に基づき所長が承認を行うこととなる。

  3. 材料モニタリングにおいて砕石、草等により「NG判定箇所」が発生した場合、現場負担増とならないようにすること。

    回答:これまでも、砕石整理及び除草に取り組んできたところであり、今後も継続していく考えである。

  4. 材料モニタリングの「NG判定箇所」の再判定する場合、判断基準を明確化すること。

    回答:「軌道材料モニタリングJR確認判断マニュアル」等に基づき、判断しているところである。

  5. 「冬期間」のアラートメールについては配信を行わないこと。

    回答:冬期間の著大値超過メールについては、軌道状態の取得ツールとして有効なことから、保線技術センター全社員のJoi-Net端末グループアドレスに送信しているところである。

  6. 今後トライアル実施線区においては、十分な検証が行われない限り本運用は行わないこと。また本運用するにあたり現場で混乱が生じない様に連携を確実にとること。

    回答:今後導入される線区においても、データ取得状況などを確認しながら、順次導入していく考えである。

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  ■ 団体交渉のポイント

  • 担当者の固定化について

     線路設備モニタリング巡視機能を取り扱う担当者が固定化しないよう求めると支社側は、操作できる社員の教育を行ってきたと回答しました。

     しかし支社側が教育を終えたとする社員数と組合側が現場で確認した「操作できる」とする社員数には大きな開きがあり、現場での教育を十分に把握していない実態が明らかになりました。

    支社
    新潟保技セで6名、長岡保技セで11名が教育を終了した。装置の機能操作ができて、ログインをして状態を見て、判定を含めて出来る人数
    組合
    職場の声として「判定までできる」と言うのは3~4人だ。何故人数に誤差が出来るのか?
    支社
    操作できるかの結果については把握していない。会社としては11名が教育を終えて操作ができるとの認識。現場長を通じて把握した。訓練、勉強会、研修会など参加した人間
    組合
    何に基づいてか?どのような勉強会か?
    支社
    聞いてはいない。訓練や個人指導という中身で聞いている。回数はわからない。押さえていない。

     現状では担当者が固定化しているとの組合側の指摘に対して支社側は、今後は担務を変える中で教育をしながら扱える社員を増やしていくとしました。

  • 「NG判定箇所」の判定処理のチェック体制について

     材料モニタリングについて、NSGから送られてくる膨大な量の「NG判定箇所」の判定処理を担当者が1人で行っていることから、負担軽減と判断ミスを防ぐためにダブルチェック体制を求めました。

     支社側は負担軽減として担当者を増やすとしながらもダブルチェックは考えていないとして否定、「NG」とするべき箇所を誤って「OK」とするような間違いは起きないと断言しました。

    支社
    判断がつかない場合は一緒にチェックできる。体制としてダブルチェックは考えていない。
    組合
    1人の判断に任せるということか
    支社
    負担が大きいというのはわかるので、出来る人を増やす
    組合
    そうであれば2人でダブルチェックとすることを求める
    支社
    現状で考えていない
    組合
    1人でもミスはない。「NG」を◯にしてしまうことはない。その人の責任でやるということか。
    支社
    そのとおり

  • 砕石、草等が原因の「NG判定箇所」発生による現場負担増について

     締結装置上の砕石や草などによりNG判定が出る箇所を減らすための対策について質しました。

     3月中に除草剤散布を行うとした支社側に対し交渉団は、現場ではその様な話は聞いていないと指摘、支社側も計画が組まれていなかったことを確認しました。

    • 除草剤を3月に撒くように周知をしてきたが、年度末に作業が輻輳していて出来ていない現状だ。通年実施の散布のみ。
    • モニタリングでの支障箇所は把握している。除草できるよう調整する。
    • 具体的な時期は未定だが、除草はしていく。

     脱線防止ガードの設置箇所で保守用車による砕石つき固めを行うと締結装置上に砕石が乗ることから、その処理方法を質しました。

     脱線防止ガードを外して作業をする、手元作業員を増やし砕石を撤去するとした支社側に対して交渉団は、今からパートナー会社に計画を変更させるのは不可能だと強く指摘しました。

    組合
    パートナー会社に現行の計画を変更してまで道床整理をやらせないで良いか。
    支社
    約束できない
    組合
    それは駄目だ。作業調整をするのに、普通の年間計画を立てた中でやめてまでさせるのは駄目だ
    支社
    場所、距離が特定できない中での話だ。どうしてもやらなければとなれば、再調整しないとはいえない
    組合
    作業をやめてまでするのはスジが違う。モニタリングのために石を取っても線路状態が良くなるわけではない。パートナー会社に全ての負担が行く
    支社
    やるべき順序はしっかり頭に入れて調整となる

  • アラートメールの冬期間配信停止ついて
    • 軌道状態の取得ツールとして有効という判断で運用している
    • 機能としてメールだけ止めることは出来る。
    • 配信停止については現場の意見、現場長の意見を確認し検討する。

 本運用により生じた問題について交渉団は、トライアル期間であれば「今後の課題」との回答も理解できるが、本運用を行った中で余りに現場の実態を知らなさすぎると強く指摘し、今後トライアル実施線区において本運用するにあたり現場で混乱が生じない様に連携を確実にとるよう求めました。

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