地本申15号コーナー

2018年度冬期検証に関する申し入れ

最終更新日 2019年11月29日


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  ■ 地本申15号 2018年度冬期検証に関する申し入れ

2019年 7月18日申し入れ

 2018年度冬期は例年になく暖冬小雪傾向となり、大きな輸送障害は少なく推移したと認識しています。

 しかし、一昨年に発生した444Mの事象の一つの対策として今年度より導入した簡易型乗用除雪機械「とらん丸」の現場教育体制の不備、またE129系のディスクブレーキ凍結に関して車両、設備の対策が無いとされる中で行われた車掌の入換合図による小移動など現場で働く社員から多くの疑問、改善を求める声があげられています。

 この間の団体交渉で支社側も認めているように、効率化によりマンパワーが減少する中で除雪体制を維持し安定した運行を確保するためには更なる設備改善が必要であるとの認識です。

 2019年度冬期に万全な体制で向かうために下記の通り申し入れますので新潟支社の真摯な回答をお願いします。


【冬期体制について】

  1. 冬期体制を12月 1日からとし、全系統で統一すること。
  2. 越後湯沢駅の冬期要員を増員すること。

【教育体制について】

  1. 簡易型乗用除雪機械「とらん丸」の教育対象者の範囲及び使用する際の体制を明らかにすると共に、教育を徹底すること。

【E129系ディスクブレーキ凍結防止対策について】

  1. 昨冬期に行った車掌の誘導による起動確認の効果を明らかにすること。
  2. 起動不能と判明した後、検修社員の派遣に要する時間ならびに想定できる本線列車の遅れ時分を明らかにすること。
  3. E129系のディスクブレーキ凍結防止対策として、車両及び設備面で対策を講じること。また車掌の誘導による起動確認を行わないこと。

【E653系 設備改善について】

  1. 1月24日 あつみ温泉駅〜五十川駅間(交交セクション付近の箇所)走行中の2009Mのパンタグラフが破損した事象について、発生した原因と今後の対策を明らかにすること。
  2. 2018年度冬期に発生したE653系「いなほ」号の窓ガラス破損件数を明らかにするとともに、2018年度に実施した対策の内容と結果、及び今後の方向性を明らかにすること。
  3. E653系の乗降扱い時、雪の介在によるドア不具合を改善すること。

【設備改善について】

  1. 信越本線 長岡~柏崎の架線凍結対策を講じること。
  2. 十日町駅31号ポイント及び32号ポイントに融雪装置を設置すること。
  3. 長岡車両センター及び長岡駅の融雪装置端末を更新すること。
  4. 長鳥駅下り本線に軌間内消雪シートを設置すること。
  5. E129系の電気ブレーキNFB及び耐雪ブレーキNFBを運転台前面に移設すること。

【新たな仕組みの構築ついて】

  1. 拠点箇所に線路上の積雪を観測する機器を設置して、除雪の判断基準を設けること。
  2. 消雪設備のメンテナンスは、予算措置及び周期に合わせて行う仕組みをルール化し、定期的にメンテナンスが出来る体制とすること。

以上

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  ■ 団体交渉の日程が決定!

  ★ 2019年 9月26日 10時00分より団体交渉を行います

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  ■ 団体交渉を終了!

  ★ 2019年 9月26日 10時00分より団体交渉を行いました

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  ■ 支社側の回答及び見解

【冬期体制について】

  1. 冬期体制を12月 1日からとし、全系統で統一すること。

    回答:「冬期における社員運用計画」については、別途提案することで考えている。

  2. 越後湯沢駅の冬期要員を増員すること。

    回答:「冬期における社員運用計画」については、別途提案することで考えている。

【教育体制について】

  1. 簡易型乗用除雪機械「とらん丸」の教育対象者の範囲及び使用する際の体制を明らかにすると共に、教育を徹底すること。

    回答:簡易型乗用除雪機械の有効な運用をめざし、現在検討しているところである。

【E129系ディスクブレーキ凍結防止対策について】

  1. 昨冬期に行った車掌の誘導による起動確認の効果を明らかにすること。

    回答:入換合図による起動確認により制輪子凍結が確認された際には、限流値増の取扱いを行うとともに、検修社員の派遣を要請したところである。

  2. 起動不能と判明した後、検修社員の派遣に要する時間ならびに想定できる本線列車の遅れ時分を明らかにすること。

    回答:入換合図による起動確認により制輪子凍結が確認された際には、限流値増の取扱いを行うとともに、検修社員の派遣を要請したところである。

  3. E129系のディスクブレーキ凍結防止対策として、車両及び設備面で対策を講じること。また車掌の誘導による起動確認を行わないこと。

    回答:E129系の制輪子固渋については、滞泊駅における留置位置変更や状況に応じた限流値増による取扱い、気象条件を考慮した検修社員の派遣、入換合図による起動確認等により対応していくことで考えている。

【E653系 設備改善について】

  1. 1月24日 あつみ温泉駅〜五十川駅間(交交セクション付近の箇所)走行中の2009Mのパンタグラフが破損した事象について、発生した原因と今後の対策を明らかにすること。

    回答:原因については、当該パンタグラフの部品の一部が破断し、パンタグラフの降下を阻害したため、電車線設備の破損が発生したと推定される。
    対策としては、検査の際に引き続き在姿を確認し、曲損等が発見された際には迅速な部品交換をする等の検討を行っているところである。

  2. 2018年度冬期に発生したE653系「いなほ」号の窓ガラス破損件数を明らかにするとともに、2018年度に実施した対策の内容と結果、及び今後の方向性を明らかにすること。

    回答:羽越本線におけるE653系の窓ガラス破損については、車両床下からの雪氷落下によるバラスト巻き上げに起因するものと推定される。
    対策として、E653系の床下に保護フィルムの貼付を行ったほか、トンネル内徐行を実施したところである。

  3. E653系の乗降扱い時、雪の介在によるドア不具合を改善すること。

    回答:E653系のドア下部にはレールヒーターが搭載されており、現行どおりで考えている。

【設備改善について】

  1. 信越本線 長岡~柏崎の架線凍結対策を講じること。

    回答:信越本線長岡~柏崎の架線凍結対策は、新潟支社保全標準に則り年2回のトロリ線塗油を実施する考えである。

  2. 十日町駅31号ポイント及び32号ポイントに融雪装置を設置すること。

    回答:設備投資計画については、支社内の優先順位を勘案しながら検討することとなる。

  3. 長岡車両センター及び長岡駅の融雪装置端末を更新すること。

    回答:長岡車両センター融雪監視装置については、更新する計画である。

  4. 長鳥駅下り本線に軌間内消雪シートを設置すること。

    回答:設備投資計画については、支社内の優先順位を勘案しながら検討することになる。

  5. E129系の電気ブレーキNFB及び耐雪ブレーキNFBを運転台前面に移設すること。

    回答:現時点において、E129系の電気ブレーキNFB及び耐雪ブレーキNFBを移設する計画はない。

【新たな仕組みの構築ついて】

  1. 拠点箇所に線路上の積雪を観測する機器を設置して、除雪の判断基準を設けること。

    回答:冬期間における降積雪時の対応については、外部気象情報や関係社員からの情報に基づき、計画的に実施していくことで考えている。

  2. 消雪設備のメンテナンスは、予算措置及び周期に合わせて行う仕組みをルール化し、定期的にメンテナンスが出来る体制とすること。

    回答:消雪設備のメンテナンスについては、実施基準等に基づき実施しているところである。

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  ■ 団体交渉のポイント

  • 冬期の要員体制について
    • 現時点で12月1日からで統一するとは言えず、考えてもいない。これまでの体制を基にトレースしている
    • 統一できない根拠については「これ」と言える理由はないが、どこも要員状況が厳しい。送り出す側の状況もあり効率的な運用を含めて調整している。いつからが良いとは言えず、教育期間の関係からも統一は難しい
    • 指令の体制については9月から順次送ることで準備をしている。異常時には企画部門から応援を行っている
    • 越後湯沢駅の冬期要員については、技量など含めて対応できる社員を配置することで考えている

  • 簡易型乗用除雪機械「とらん丸」について
    • 昨冬期の稼働実績は、レール上での使用についてはない
    • 本線上で運用する場合には要員は4人必要。教育は毎年行う。今年度も冬期体制前に終えるようにスケジュールを組んでいる
    • 教育対象は事務職以外の社員全員を基本に対応。担務もあるので対象を見極めながら携わる可能性がある社員を現場判断により実施
    • 安い買い物ではなかったので有効的な運用を模索している。駅間で停車した列車を救済するための除雪が主目的であることは変わらない
    • 載線可能は踏切については調査中。冬期までに間に合わなければ、調査を終えていない踏切からは載線させない
    • 運搬方法についても道路状況が悪い中で可能か検討中。組合側から提案された運搬手続きを3保線技術センター間ではなく主管で行うということについても検討中

  • E129系ディスクブレーキ凍結防止対策について
    • 凍結防止対策の効果について昨冬は暖冬のため実績が少なく判断材料が少ないが、村上駅の防風ネット、新発田駅での夜間のスプリンクラー散水停止は今冬も実施する
    • 安全上、機能的な担保が取れなくなる場合があり車両自体の改造は難しい
    • 課題として認識はしている。車両、設備両面で考えて行きたい。石打で何らかの対策を検討したい。他支社の経験等も参考にしながら対応していくが、今冬期も昨年と同じ体制で行く
    • 凍結による起動不能を認め検修派遣を行った実績は石打駅構内での1件。限流値増を扱って起動できた件数については数件あったと支社としては把握している
      組合
      凍結に対する「対応」ではなく「対策」を示してほしい
      支社
      車両面では厳しい。対策としてテストも含め示せるものがあれば示したい
      組合
      そもそも限流値増の取扱いは危険性を伴い安易に扱うべきものではない。危険な扱いをしているという認識を持つべきだ
      支社
      取扱いフロー含めて検討したい
      組合
      車掌による小移動について、気温が高く明らかに凍結の心配が無いなど必要性を感じない中で行ったことが多い。今冬も行うというのであれば日々判断で行えないか
      支社
      その日に判断すると伝達のモレやオチが生じる危険がある
      組合
      乗務員の負担軽減のためにも必要な時にだけ行う方がよい。着点呼時の業務指示による取扱いで良いのではないか

  • E653系設備改善について
    • 2009Mのパンタグラフ破損は、アームのバランスロットに損傷がありパンタグラフが上下出来なくなり電力設備を損傷した。乗務員の目視では判断しづらいレアケース
    • 「いなほ」号の窓ガラス破は何が原因が特定されていない。バラスト飛散防止ネット、床下保護フィルム、トンネル内徐行を今冬も継続する
    • 雪の介在によるドア不具合について、ドア自体の力はこれまでの車両よりは強い。報告された分しか把握していないので、調査していく。水回りの凍結対策は行った

  • 設備改善について
    • 信越本線長岡~柏崎の架線凍結対策について塗油は1月、2月に行っている。カッター車運行は意見として承る。対策は引き続き考えるが現行は塗油のみ
    • 十日町駅31号ポイント及び32号ポイントの融雪装置について今年度設置の可能性は低い。
    • 長岡車両センター及び長岡駅の融雪装置端末は今冬期に間に合うように更新する
    • 長鳥駅下り本線の軌間内消雪シートは今年度設置予定はないが、課題として認識している。優先順位は低くない。熱風ヒーター、電熱マット等検討はしているが費用対効果で難しい
    • E129系電気ブレーキNFB及び耐雪ブレーキNFBを運転台前面に移設は現行難しい。標準集の取扱が出来ないことは検討していく

  • 新たな仕組みの構築について
    • 線路上の積雪観測は雪況カメラ、ウェザーニュース、社員からの報告により総合的に判断している。カメラだけでは全てを把握出来ない。パターン除雪は雪害対策本部の判断で行うが、現場長同士の判断でも行うことは可能。
    • 消雪設備のメンテナンスについて保全標準で点検方法、時期が定められているが全て決まっている訳ではない。職場独自で点検を決めている箇所もあるかもしれないが、ルール化することで故障がなくなるとは考えていない

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