地本申6号コーナー

2019年度冬期の取組みに対する申し入れ

最終更新日 2020年 1月 4日


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  ■ 申6号 2019年度冬期の取組みに対する申し入れ

2019年11月 6日申し入れ

 標題について10月17日に提案を受けました。 2018年度冬期は小雪であったことにより「2018年度冬期の取組み」における施策の多くで検証が得られなかったものの、昨年度の取組みの継続と、これまでの冬期の課題を克服していくという新潟支社の決意が述べられたとの認識です。

 昨年度の冬期に関しては、2018年度申15号「2018年度『冬期検証』に関する申し入れ」により「冬期の要員体制」「とらん丸」「E129系のディスクブレーキ凍結対策」「除雪・消雪設備」など多岐にわたり労使で議論を行いました。今提案においては組合側の主張も一部取り入れられた一方で「検討中」とされる項目も多く、現場感覚との相違を含め課題を残す内容であるとの認識です。

 過去の冬期に発生した問題や克服すべき課題を含め、2019年度冬期を万全な体制で迎えるため、組合員・社員からが寄せられた声をもとに下記の通り申し入れますので新潟支社の誠意ある回答を要請します。


  1. 冬期体制を12月1日からとし、全系統で統一すること。
  2. 大雪警報発令時は早めに運休手配を行い現場に周知すること。
  3. 「とらん丸」の運用の考え方、位置づけを明らかにすること。
  4. 「とらん丸」の取り扱いを行う全社員に冬期体制前に教育を行うこと。
  5. 「とらん丸」故障時の救援方法を定め社員教育をおこなうこと。
  6. 新潟保線技術センター管内の「とらん丸」の載線箇所を全て明らかにすること。
  7. 長岡保線技術センター管内の「とらん丸」の載線箇所を全て明らかにすること。
  8. 柏崎保線技術センター管内の「とらん丸」の載線箇所を全て明らかにすること。
  9. 見附構内に配備するMR基地の消雪設備を整備すること。
  10. 信越線長岡~柏崎の架線凍結対策を講じると共に、初列車の前にカッター代行を運行すること。
  11. E129系のディスクブレーキ凍結対策を車両面、設備面で講じること。
  12. E129系の車掌の誘導による起動確認について今冬期の考え方を明らかにすること。
  13. E129系電気ブレーキNFB及び耐雪ブレーキNFBを運転台前面に移設すること。
  14. E653系いなほ車両の窓ガラス割れ対策として恒久的な対策を立て実施すること
  15. 冬期間、只見線2428D~回2429Dを大白川駅本線折り返しとすること。
  16. 新潟新幹線車両センター構内の着発線から庫内までの指定通路の除雪を行うこと。
  17. 新潟新幹線運輸区のカッター車要員として、冬期間は運転士1予備(5時から12時)勤務の社員をおくこと。
  18. ガーラ湯沢駅における回送列車発車の際、ホーム上の安全確認を行う対策をとること。
  19. 拠点箇所に線路上の積雪を観測する機器を設置すること。
  20. 長鳥駅下り本線に軌間内消雪シートを設置すること。
  21. 磐越西線・津川駅、五十島駅の軌間内融雪装置(線間プール)を新しい物に取り替えること。
  22. 十日町駅31号ポイント、32号ポイントに融雪装置を設置すること。

以上

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  ■ 団体交渉の日程が決定!

  ★ 2019年11月21日 11時00分より団体交渉を行います

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  ■ 団体交渉を終了!

  ★ 2019年11月21日 11時00分より団体交渉を行いました

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  ■ 支社側の回答及び見解

  1. 冬期体制を12月1日からとし、全系統で統一すること。

    回答:「冬期における社員運用計画」については、提案どおりで考えている。

  2. 大雪警報発令時は早めに運休手配を行い現場に周知すること。

    回答:運休等の計画を行う際は引き続き早めの現場への周知を心掛けるが、運休等計画の判断は気象庁、気象予報会社からの情報、現地の降積雪状況や、除雪計画から総合的に判断することになる。

  3. 「とらん丸」の運用の考え方、位置づけを明らかにすること。

    回答:簡易型乗用除雪機械は、列車が駅間に停車した際の救援等除雪作業、構内除雪等で投排雪保守用車及びモータカーロータリー等の運用ができない場合、その他必要と認められる除雪作業に活用する。

  4. 「とらん丸」の取り扱いを行う全社員に冬期体制前に教育を行うこと。

    回答:必要な教育は実施して行く考えである。

  5. 「とらん丸」故障時の救援方法を定め社員教育をおこなうこと。

    回答:簡易型乗用除雪機械の油圧式転車台不具合を想定し手動ポンプの操作訓練を実施したほか、機械故障時の緊急連絡体制表を整備し車載したところである。

  6. 新潟保線技術センター管内の「とらん丸」の載線箇所を全て明らかにすること。

    回答:関係保線技術センターにおいて現在調査しているところである。

  7. 長岡保線技術センター管内の「とらん丸」の載線箇所を全て明らかにすること。

    回答:関係保線技術センターにおいて現在調査しているところである。

  8. 柏崎保線技術センター管内の「とらん丸」の載線箇所を全て明らかにすること。

    回答:関係保線技術センターにおいて現在調査しているところである。

  9. 見附構内に配備するMR基地の消雪設備を整備すること。

    回答:設備投資計画については、支社内の優先順位を勘案しながら検討することとなる。

  10. 信越線長岡~柏崎の架線凍結対策を講じると共に、初列車の前にカッター代行を運行すること。

    回答:信越本線長岡~柏崎の架線凍結対策は、新潟支社保全標準に則り年2回のトロリ線塗油を実施する考えである。
    なお、同区間でカッター代行を運転することは困難である。

  11. E129系のディスクブレーキ凍結対策を車両面、設備面で講じること。

    回答:E129系の制輪子凍結対策については、滞泊駅における留置位置変更や状況に応じた限流値増による取扱い、気象条件を考慮した検修社員の派遣、入換合図による起動確認等により対応していくことで考えている。

  12. E129系の車掌の誘導による起動確認について今冬期の考え方を明らかにすること。

    回答:今冬期は気象条件を考慮し、車掌の誘導による起動確認を行うことで考えている。

  13. E129系電気ブレーキNFB及び耐雪ブレーキNFBを運転台前面に移設すること。

    回答:現時点において、E129系の電気ブレーキNFBおよび耐雪ブレーキNFBを移設する計画はない。

  14. E653系いなほ車両の窓ガラス割れ対策として恒久的な対策を立て実施すること

    回答:羽越線におけるE653系「いなほ」号の窓ガラス破損については、車両床下からの雪氷落下によるバラスト巻き上げに起因するものと推定される。
    なお、対策としてE653系の床下に保護フィルムの貼付を行ったほか、トンネル内徐行を実施する。

  15. 冬期間、只見線2428D~回2429Dを大白川駅本線折り返しとすること。

    回答:関係線区全体の利便性と、停止位置及び軌道回路注意の対象であることを考慮しているものである。

  16. 新潟新幹線車両センター構内の着発線から庫内までの指定通路の除雪を行うこと。

    回答:新潟新幹線車両センター構内における除雪については、新幹線統括本部において決定することとなる。

  17. 新潟新幹線運輸区のカッター車要員として、冬期間は運転士1予備(5時から12時)勤務の社員をおくこと。

    回答:新潟新幹線運輸区の要員については、新幹線統括本部において決定することとなる。

  18. ガーラ湯沢駅における回送列車発車の際、ホーム上の安全確認を行う対策をとること。

    回答:ガーラ湯沢駅においては、ホームの係員を省略できる駅であることから、現行どおりの取扱いで考えている。

  19. 拠点箇所に線路上の積雪を観測する機器を設置すること。

    回答:建築限界外からの線路上の積雪深計測は、現時点では技術的に困難である。
    なお、冬期間における降積雪状況の把握については、外部気象情報や関係社員からの情報等に基づき実施していく考えである。

  20. 長鳥駅下り本線に軌間内消雪シートを設置すること。

    回答:設備投資計画については、支社内の優先順位を勘案しながら検討することとなる。

  21. 磐越西線・津川駅、五十島駅の軌間内融雪装置(線間プール)を新しい物に取り替えること。

    回答:設備投資計画については、支社内の優先順位を勘案しながら検討することとなる。

  22. 十日町駅31号ポイント、32号ポイントに融雪装置を設置すること。

    回答:多額の設備投資を要することから現行どおりで考えている。

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  ■ 団体交渉のポイント

  • 冬期体制の統一について
    • 統一できない理由については、人がいないからできないということではないが、要員の関係が無いわけではない
    • 異常時前提の要員は置かないという考えから、排雪達の運転日を基準として指令の冬期体制をとっている。12月15日からの実施にあわせて9月以降に異動や教育を実施している
    • 12月15日以前に降雪があっても指令については余裕があり、対応はできる
  • 大雪警報の発令時には列車の運休手配について
    • よりタイムリーな情報源としてウェザーニュースの1時間毎降雪量を参考にしている。単純に降雪量だけでは判断できず、雪況カメラや乗務員からの申告など多方面から情報を受けた上での判断となる
    • 現地の状況が一番の判断材料であり、乗務員が無理だと申告している状況で運転の指示を行う事にはならない
  • 簡易型乗用除雪機械「とらん丸」について
    • 教育については、保線技術センターにおいては実際に操縦も行った。車両センターにおいては対象の社員全員が触れたわけではなく、載線箇所も確定していない
      組合
      載線時が一番危険であり、慣れない除雪作業により地上設備を破損するようなことが無い様に、実際に「見る」「触る」「動かす」教育を行う様に強く求める
      支社
      課題の克服に向けて進める
    • 保管箇所から載線場所までの移動について、新潟以外では未定だった運搬業者は長岡、柏崎の各保線技術センターとも決定した
    • 3保線技術センター間の打合せで行うとしていた運搬手続きについて、主管で行えないかという組合側からの要求については、保線課が行うことで確認
    • 載線可能な踏切については、幅員やアプローチなど含め調査中
      組合
      冬期体制前に確定させることを強く求める
  • 信越線長岡~柏崎の架線凍結対策について
    • カッター代行の運転は、貨物列車が先行しているためダイヤ設定上厳しい
      組合
      貨物列車運の休日だけでも試験的にカッター代行を運転してはどうか
      支社
      検討の余地はある
  • E129系のディスクブレーキ凍結対策について
    • 車両面での改造はブレーキ効果への懸念などもあり困難
    • 留置箇所変更や防風柵設置に加えて今冬期は、石打駅構内の庫に留置する1編成の1台車分について赤外線のパネルヒーターを試験的に設置する
  • 車掌の誘導による起動確認について
    • 今冬期は気象条件を考慮して行う
      組合
      実施日のみ変行路として取り扱うべきだ
      支社
      基本的に全ての日で実施する前提で変行路として指定し前日の気象情報に基づき所定の作業に復する取扱いとする
      組合
      勤務の取扱いや事務処理の煩雑さなどに課題が残る。現場作業実態を考慮した取扱いを求める
  • 設備の改善等について
      長鳥駅下り軌間内消雪シート、十日町駅構内ポイント融雪装置新設について課題として認識は持っているものの、設置については難しい
    • 津川駅、五十島駅の線間プールの取替については、優先順位は一番高く、近々変えたい

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