地本申9号コーナー

「保線部門におけるメンテナンス体制の最適化」に関する申し入れ

最終更新日 2020年 5月27日


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  ■ 申9号 「保線部門におけるメンテナンス体制の最適化」に関する申し入れ

2019年11月15日申し入れ

 2019年2月に開催した2018年度申8号「モニタリング装置本運用に関する申し入れ」の団体交渉において、現場と支社の認識に相違が生じていることについて労使で課題解決に向け議論してきました。

 今施策の大きな柱の一つである「線路設備モニタリング」導入に伴い、今後拡大されるエリアセンターにおける社員教育や取り扱いについて議論してきましたが、未だ、具体的なスケジュールが提示されていない状況です。

 各現場で働く社員からは本運用に対し多くの疑問、問題点があげられています。現場で働く社員が安心して業務を遂行できる環境を整えることが会社の責任であり、安全・安定輸送に必要不可欠であると考えます。

 よって下記の通り申し入れますので、新潟支社の真摯な回答をお願いします。


  1. 保線部門の将来を担う若手社員の「技術継承」に対するあり方と現状認識、今後の考え方を明らかにすること。
  2. 保線部門における現在の超過勤務の実績に対する考え方を明らかにすること。
  3. 「線路設備モニタリング」が本運用されている保線技術センターのモニタリング教育修了者数を明らかにすること。
  4. モニタリング教育とはどのレベルまで操作できることを目指しているのか考え方を明らかにすること。
  5. 「線路設備モニタリング」を今後導入する線区の検証期間を明らかにすること。
  6. 「線路設備モニタリング」を今後導入する保線技術センター・越後湯沢エリアセンターにおいて、モニタリングモニターの配備スケジュールを明らかにすること。
  7. 「線路設備モニタリング」を今後導入する保線技術センター・越後湯沢エリアセンターにおけるモニタリング教育について、教育内容・教育期間の考え方を明らかにすること。
  8. 「線路設備モニタリング」を今後導入する保線技術センター・越後湯沢エリアセンターにおけるモニタリング教育をおこなう部署を明らかにすること。
  9. 「線路設備モニタリング」を今後導入する保線技術センター・越後湯沢エリアセンターにおいて本運用の開始時点においてモニタリング教育修了者数を明らかにすること。
  10. 「線路設備モニタリング」が本運用されている保線技術センターで、モニタリング教育終了者を2020年度末までに何人育成していくのか考え方を明らかにすること。
  11. 「線路設備モニタリング」が今後導入される保線技術センター・越後湯沢エリアセンターにおいて、モニタリング教育修了者を2020年度末までに何人育成していくのか考え方を明らかにすること。
  12. 「線路設備モニタリング」の材料モニタリング処理をおこなうにあたり、個人差が生じている現状に対する考え方を明らかにすること。
  13. 越後湯沢エリアセンターにおける現在員数の考え方を明らかにすること。
  14. 本申し入れに対する回答は、2019年11月29日までとすること。

以上

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  ★ 2020年 1月22日 10時00分より団体交渉を行います

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  ★ 2020年 1月22日 10時00分より団体交渉を行いました

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  ■ 支社側の回答及び見解

  1. 保線部門の将来を担う若手社員の「技術継承」に対するあり方と現状認識、今後の考え方を明らかにすること。

    回答:線路設備モニタリング装置を活用して軌道状態を効率的に把握するなど適時適切な整備に努めているところである。
    また、これまで進めてきた人材育成の強化に加え、技術支援体制の再整理により、技術的な判断による適切な設備管理ができる技術者の育成に努め、保線技術の維持向上を図っている。

  2. 保線部門における現在の超過勤務の実績に対する考え方を明らかにすること。

    回答:各保線技術センター線路科における超勤実績については、モニタリングを導入した昨年度については一時的に増加したが、今年度においては定着化も進み、例年並みの実績であると認識している。

  3. 「線路設備モニタリング」が本運用されている保線技術センターのモニタリング教育修了者数を明らかにすること。

    回答:これまでも、線路設備モニタリング巡視機能を操作できる社員の教育を行ってきたところであり、今後も継続していく考えである。

  4. モニタリング教育とはどのレベルまで操作できることを目指しているのか考え方を明らかにすること。

    回答:線路設備モニタリング巡視機能を操作できる社員を目指している。

  5. 「線路設備モニタリング」を今後導入する線区の検証期間を明らかにすること。

    回答:データの取得状況を確認しその結果を踏まえながら、順次導入していく予定である。

  6. 「線路設備モニタリング」を今後導入する保線技術センター・越後湯沢エリアセンターにおいて、モニタリングモニターの配備スケジュールを明らかにすること。

    回答:全ての保線技術センター(エリアセンター含む)に配備済みである。

  7. 「線路設備モニタリング」を今後導入する保線技術センター・越後湯沢エリアセンターにおけるモニタリング教育について、教育内容・教育期間の考え方を明らかにすること。

    回答:必要な教育は実施していく考えである。

  8. 「線路設備モニタリング」を今後導入する保線技術センター・越後湯沢エリアセンターにおけるモニタリング教育をおこなう部署を明らかにすること。

    回答:保線課及び、各保線技術センターの線路科で実施することとなる。

  9. 「線路設備モニタリング」を今後導入する保線技術センター・越後湯沢エリアセンターにおいて本運用の開始時点においてモニタリング教育修了者数を明らかにすること。

    回答:必要な教育は実施していく考えである。

  10. 「線路設備モニタリング」が本運用されている保線技術センターで、モニタリング教育終了者を2020年度末までに何人育成していくのか考え方を明らかにすること。

    回答:必要な教育は実施していく考えである。

  11. 「線路設備モニタリング」が今後導入される保線技術センター・越後湯沢エリアセンターにおいて、モニタリング教育修了者を2020年度末までに何人育成していくのか考え方を明らかにすること。

    回答:必要な教育は実施していく考えである。

  12. 「線路設備モニタリング」の材料モニタリング処理をおこなうにあたり、個人差が生じている現状に対する考え方を明らかにすること。

    回答:判定については経験が必要な部分もあるが、業務を継続していくことにより習熟していくものと考えている。

  13. 越後湯沢エリアセンターにおける現在員数の考え方を明らかにすること。

    回答:業務運営に必要な要員については引き続き確保していく考えである。

  14. 本申し入れに対する回答は、2019年11月29日までとすること。

    回答:「労使間の取扱いに関する協約(平成30年10月1日締結)」に則り、取り扱うこととなる。

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  ■ 団体交渉のポイント

【保線部門における教育・技術継承について】

  • 保線部門の若手社員の技術継承について
    • 技術継承については、支援体制として本社の技術管理グループが発足し、保線技術支援があり、うまくいっている方向
    • 目指すべき社員像、在るべき姿の方向としては、線路保守管理ができる人を育てる、状態を見られる、材料不良判断ができる社員を育てること
    • 目指すべき姿のために、状態が見られる、材料判断ができる技術が必要
    • 目指すべき技術力と現状との比較としては、完璧ではないが近づいてはいる。経験年数や担務などもあり、一律に向上とはならないが近づいてはいる
    • 今後はモニタリング導入により、総合巡視と同様に不良判断ができる技術力を継承できる

  • 保線部門の若手社員の教育について
    • 7年で一人前との考えは変わらない。一人前とは線路保守判断できること
    • 社会人採用の育成期間については4年
      組合
      社会人採用が短いのは何故か?
      支社
      社会人採用ということで、他会社を経験することで一定の知識もあるため
      組合
      保線に特化した専門職から採用するのか?
      支社
      ゼネコン経験者はいるかもしれないが、保線の専門職ではない
      組合
      専門知識がないのに何故短縮されるのか。7年で一人前のうち3年分は社会人教育なのか?
      支社
      そうではない。違いは様々経験しているため、早目に育成を図っていくために4年としている

  • 認定線区における教育について
    • 認定線区を担当する社員は現場に出ることが少ない認識はある
      組合
      苦情処理に追われ認定線区では技術力が上がらず線路不良、材料判断が現状できていなことに対する認識は?
      支社
      面談や個々のヒアリングで補完、指導している
      組合
      技術育成シートに基づいて行われているが自己判断でのチェックだ
      支社
      面談の中で管理者と実施している。不足している部分は課題付与して補うようにしている。課題として感じているのであれば担務変更もある
      組合
      新入社員からずっと認定線区にいる社員もいる。7年で一人前ということに不安を持っている。これについての会社の考えは?
      支社
      7年ずっと同じ担務でいるとは限らない。育成シートを活用しながら指導していく。普段のコミュニケーション、育成シートを活用していく
    • 苦情対応は技術センター全体で業務を分担し現場に出る機会を意識的に創ることで、認定線区の社員が学べる環境を作れるよう指導していく
      組合
      会社は技術力向上のために様々機会を作ると言っていたが、現場はそうなっていない。何故こうなっているのか。原因と対策はなにか
      支社
      職場全体で苦情処理に取り組む意思決定が周知されていない。支社の指導不足が原因。現場に対して再指導を行う
      組合
      指導すると支社が言っても現場はそうならない。その理由をハッキリしないとまた同じことを繰り返す。指導力不足を補うためにどうするのか
      支社
      再々指導を行う。現場ともしっかりコミュニケーションを深めていく

【線路設備モニタリング装置の運用について】

  • 線路設備モニタリングが本運用されている技術センターの教育終了者数について
    • 教育終了者数は村上保線技術センター14名、保線技術センター柏崎16名、長岡保線技術センター13名、新潟保線技術センター15名
    • 教育終了者数は、軌道変位、材料モニタリングができる人数

  • モニタリング教育で最終的に目指すレベルについて
    • 線路状態を判断できる社員。第一としてモニタリングを操作できる社員、次のステップとして判断ができる社員を目指す。全社員が操作できることを目指している。
      組合
      操作できるとはどこまでのことを言っているのか
      支社
      最終的には判断するところまでだが、まずは操作できることを目指す。段階的に進めていく。最終的にはモニタリング巡視できるところまで目指していく。軌道変位分析、マルタイ支援システムまでできれば100%という訳ではない
    • 線路科だけできれば良いとはならない。教育は全員にしなくてはならないという認識。
    • 線路科の社員は分析を含め操作できることを目指す一方で、線路科以外では異常時対応としてチャートが出せる程度にはしたい
    • マルタイは担務であり、まずは巡視、軌道変位それができてから担務としてマルタイとしていきたい。

  • モニタリング本運用中の技術センターにおける2020年度末までの教育終了者数について
    • 本社が説明している通り、新潟支社においても目指すところは保線関係全社員で考えている
      組合
      具体的にはどう進めていくのか。実施から二年経っても十数名であり、来年までに本当にできるのか。線路科社員が終わっていない状況である。二年前の目標は何人だったのか
      支社
      支社として目標指定せず、各技術センターに任せていた。初めは担当者のみであったところから確実に扱える社員は増えている
      組合
      現実に線路科にいて扱えない社員がいる。あと一年で本当に全社員教育できるのか?
      支社
      線路科は全員教育していく。順次進めていく
    • 2020年度末までに全社員教育する工程について、優先順位は線路科であるが支社としてビジョンはない

  • 材料モニタリング処理におけるNG判定数の個人差について
    • 本個人差が生じている認識はある。安全に支障が出ることはないと思うが、差はないほうが望ましい。ある程度の個人差は仕方ない
    • NG判定数の個人差については、経験により生じるものであり、それにより現場を指導することはない
      組合
      データNG検出に差があることに対して、支社より何故差があるのかと言われたと聞いたが、個人差ということで良いか
      支社
      導入当初はどのようなNGかという調査をしていた。NGが出たからダメということはない。数が多くても問題はない
      組合
      何故多くなったのか聞かれたことがあった
      支社
      過去そのようなことをしたか分からないが、現在することはない。NG数の把握はしている
      組合
      支社に言われたことで別の人が同じ作業をもう一度することもあった
      支社
      NG数が減少したことで除草剤散布など何か対策したのか聞いたことはあるかもしれない
    • 個人差解消のためにマニュアル整備を進めていくとともに、総合巡視等でも経験を積んでモニタリングに活かしてほしい
    • 認定線区の社員の教育を目的に、線路巡回をしているグループの社員とペアで判定を行うようにしたい

  • 線路設備モニタリングを今後導入する線区について
    • 車両データ、巡回データのすりあわせを行っている段階であり実施時期は示せない
    • 初めてモニタリングが導入される職場での教育はマニュアルと実機を使い1、2ヶ月で実施していく
    • 線路科を対象に保線課が教育を行い、モニタリング担当者から水平展開していく
    • 本運用の開始時点では2、3人がモニタリング巡視機能操作、材料モニタリングを一定程度使えるように行っていく
    • モニタリング導入が予定されている越後湯沢エリアセンターの現在員数7名は、現在の業務を遂行する上で必要な人数

  • 認定線区におけるモニタリングNG処理について
    • 認定線区においてはモニタリングのNG処理は業務範囲にないため、NGを見る義務はない
      組合
      認定線区においてモニタリングNG処理は業務範囲に入るのか。NGを見る義務はあるのか
      支社
      義務はない。活用はしてほしい
      組合
      認定線区はパートナー会社管理となったため、JR本体が見る義務はない。活用してくれと言われると、言われた方は見なくてはならないと受け取ってしまう。本部-本社間において整理したのに現場では見なくてはならないと思っている。支社がしっかり現場を整理すべき。活用することを否定している訳ではない。見る義務はないとハッキリしてほしい
      支社
      認定線区においてモニタリングを巡視、設備不良に活用しているがNG処理する義務はない。活用はしてもらっている
      組合
      基本はパートナー会社が管理する。NG処理もしなくて良い。これで良いか
      支社
      はい
      組合
      確認にこれだけ時間がかかるように現場も支社もハッキリ認識していない。活用することは良い。エリアセンターについて認定線区の概念を常に整理してほしい
      支社
      各会議の場で整理を図っていく
    • 個人差解消のためにマニュアル整備を進めていくとともに、総合巡視等でも経験を積んでモニタリングに活かしてほしい
    • 認定線区の社員の教育を目的に、線路巡回をしているグループの社員とペアで判定を行うようにしたい

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