地本申31号コーナー

お客さま、社員の命を守る運行体制の確立を求める申し入れ

最終更新日 2021年 8月 6日


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  ■ 申31号 お客さま、社員の命を守る運行体制の確立を求める申し入れ

2020年10月29日申し入れ

 標題について8月28日、羽越本線3Mがあつみ温泉〜五十川駅間の黒滝トンネルを通過中、脱落した可動ブラケットが運転台前面ガラスに衝撃し、飛散したガラスによって運転士が負傷する事故が発生しました。

 運転士は幸い軽症で済んだものの、乗務員・お客さまの命を脅かす重大な事故であると認識しています。未だ原因が明らかにされておらず、乗務員は不安を拭えない中での乗務を行なっており、日々規程に沿ってメンテナンスを行っていた設備社員もまた、不安を抱えたまま業務を行っています。

 新潟地本は今回発生した事故の重大性に踏まえ、お客さま、社員の命を守る運行体制の確立を求め下記の通り申し入れますので、新潟支社の誠意ある回答を要請します。


  1. 今回発生した事故について原因を明らかにすること。
  2. 事象発生後に行った緊急対策とその結果を明らかにすること。
  3. これまでの点検方法と点検周期の課題について明らかにすること。
  4. 今回の事象を受けて再発防止のためのメンテナンス体制の確立を ①点検方法 ②点検周期 ③要員体制 ④直轄・外注区分のあり方等の視点で明らかにすること。

以上

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  ■ 団体交渉の日程が決定!

  ★ 2021年 7月14日 15時00分より団体交渉を行います

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  ■ 団体交渉を終了!

  ★ 2020年 7月14日 15時00分より団体交渉を行いました

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  ■ 支社側の回答及び見解

  1. 今回発生した事故について原因を明らかにすること。

    回答:本事象は、がいし金具が腐食して破断し、可動ブラケットが列車前面ガラスと衝撃したものである。

  2. 事象発生後に行った緊急対策とその結果を明らかにすること。

    回答:緊急点検を実施し、異常が発見された箇所については取替えを実施してきたところである。

  3. これまでの点検方法と点検周期の課題について明らかにすること。

    回答:点検は社内基準により実施しているところである。

  4. 今回の事象を受けて再発防止のためのメンテナンス体制の確立を ①点検方法 ②点検周期 ③要員体制 ④直轄・外注区分のあり方等の視点で明らかにすること。

    回答:点検時はひびや割れなどの異常がないことの確認も含めて点検することで考えている。

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  ■ 団体交渉のポイント

  • 事故の原因について
    • がいし金具腐食の原因は塩害。製造過程での熱処理が不適切、物が悪かった
    • 端末金具(中国)→組立会社(イタリア)→輸入会社→納入会社という流れであり、組立会社が端末金具会社の材料が変更されていることを把握しておらず、結果として当社が求める仕様を満たしていなかった
    • 責任は納入会社が負う。対策として納入会社に品質の確認を求めている
    • 運転士が負傷した原因は飛散したガラスでありフィルムを貼った。これで新潟支社管内ではディーゼル機関車とSL以外は施工された
      組合
      怪我人が出て鉄道人身事故となったからの対応か
      支社
      飛散防止フィルムはそうである。可動ブラケットの原因究明は怪我人とは関係なく鉄道総研を含めた究明はされる
      組合
      ブラケットについて今回の原因は特殊かも知れないが、ユニオンはリスクに対する未然防止の問題提起もしてきたし、気付きは現場にある。耳を傾けること
      支社
      了解
  • これまでの点検方法と緊急点検について
    • 緊急対策として同種ポリマーがいしを全部点検した6000個のうち50個を交換した
    • 点検はゴープロを使い近接から全方位を見た。疑わしいものも含めて交換し、鉄道総研に送ったりながら原因究明を進めた
    • 同一会社製の箇所は判明したので800個を交換していく。2023年3月10日に交換は完了する
      組合
      これまでの点検方法・周期と課題、今後の点検はどうか
      支社
      これまでは2年に1回の保全巡視。組立会社製の交換が終わるまでは当該箇所は年に1回ゴープロで点検。交換が終わった後は3年に1回の点検でトレースしてやめるか延ばすか検討していく。いずれも外注会社が行いJRは周期施行管理を行う
      組合
      事故以前は2年に1回の保全巡視だったが、見つけられなかったのは課題ではないのか?
      支社
      事故を受けて新たな点検視点が入ったことから疑わしいものも含めて50箇所の交換に至った
  • 再発防止のためのメンテナンス体制について
    組合
    点検は全てパートナー会社とのことだが、負荷分担はどうか
    支社
    検査の分散等で考えている。全てのガイシ交換以降も検査点検は外注会社が行う
    組合
    同一会社製の交換が終われば終わりという認識か?
    支社
    原因が確定しているので、原因が取り除かれれば終わりである。再発は無い
    組合
    ガイシの耐久性はどうか?
    支社
    塩害地域では今まで10年だったものがポリマーガイシとなって20年に伸びた。塩害地域でなければ30年にもつ。老朽取り替えという考えではなく目視で判断して交換している

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