地本申1号コーナー

2021年度冬期に発生した諸問題に関する申し入れ

最終更新日 2023年 5月25日


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  ■ 申1号 2021年度冬期に発生した諸問題に関する申し入れ

2022年 8月 4日申し入れ

 標題について、2021年度の冬期は上越線で終日運休が続くなど、支社内の各路線でお客さまに多大なご迷惑をおかけする事態が数多く発生しました。

 連日の雪害に対して、企画部門を含め系統や職責を超えて社員一丸となり対応に当たったものの、現場第一線の努力だけでは解決できない問題が数多く寄せられています。

 東日本ユニオン新潟地本は、新潟支社より「2021年度冬期の取り組み」の提案を受けて以降、組合員や職場の声に基づき団体交渉等を通じて議論を重ねてきましたが、発生した問題に向き合い、来冬期に向けて克服すべき課題を労使で認識一致する必要があると認識しています。

 従いまして下記の通り申し入れますので、新潟支社の誠意ある回答を要請します。


  1. 今冬期、上越線で列車の終日運休が続いた原因と対策を明らかにすること。
  2. 運転再開見込みのプレス発表について今冬期の課題を明らかにすること。
  3. 当日、始発から通常運行を行っている中で、急遽列車を運休させる場合は、帰宅する旅客の救済を計画的に行うこと。
  4. タクシーによる乗務員の送り込みを解消する運用を隣接区及び隣接支社間で確立すること。
  5. 輸送障害時における気動車の燃料管理の考え方について明らかにすること。
  6. 羽越本線鶴岡~酒田間における吹き溜まり防止対策を明らかにするとともに、吹き溜まり発生時にはMRにより側雪を除去すること。また、冬期前までに線路に近接するススキ、葦等の雑草を除去すること。
  7. 2021年12月27日、羽越本線 羽前大山~羽前水沢間・下興屋踏切に起因した輸送障害の原因を明らかにするとともに、対策を講じること。
  8. 2021年12月26日、2022年1月1日に上沼垂信号場構内北部方ポイント96号及び97号で繰り返し発生したポイント不転換の原因を明らかにするとともに、対策を講じること。
  9. 上越線において積雪による信号機等鉄道設備の埋没が発生し、列車運行が困難な状況が数日間続いたことから、計画的な一斉除雪を行うこと。
  10. GV-E400系の乗降ドアに連続して雪が介在した原因を明らかにするとともに、雪が介在しない対策を講じること。
  11. 今冬期のホーム除雪に対する課題を明らかにすること。
  12. 上越線ガーラ湯沢駅ホームの除雪をテンポラリースタッフにより行うこと。
  13. 越後線越後曽根駅本線上りレピーターを着雪防止用のビニールで覆うこと。
  14. 上越線越後川口駅上り本線に施工した停目移設の検証を明らかにすること。
  15. 横取り装置におけるポイント融雪の課題を解消し、出動までの機動性を向上させること。
  16. 浦佐寮(社宅側含む)に消雪パイプを設置すること。
  17. 暖房予熱の見直しを行ったことによる成果と課題を明らかにすること。

以上

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  ■ 団体交渉の日程が決定!

  ★ 2022年 9月12日  9時30分より団体交渉を行います

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  ■ 団体交渉を終了!

  ★ 2022年 9月12日  9時30分より団体交渉を行いました

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  ■ 支社側の回答及び見解

  1. 今冬期、上越線で列車の終日運休が続いた原因と対策を明らかにすること。

    回答:今冬は、山間部中心の大雪で2月後半まで雪が強く降り続く天候だった。引き続き、様々な情報を収集しながら、除雪計画優先で無理のない最適な運転計画の策定に努めていく考えである。

  2. 運転再開見込みのプレス発表について今冬期の課題を明らかにすること。

    回答:プレス発表については、可能な限り速やかに行っているところである。

  3. 当日、始発から通常運行を行っている中で、急遽列車を運休させる場合は、帰宅する旅客の救済を計画的に行うこと。

    回答:急遽、列車が運休になる場合等には、可能な限り、お客さま救済を実施しているところである。

  4. タクシーによる乗務員の送り込みを解消する運用を隣接区及び隣接支社間で確立すること。

    回答:乗務員運用における列車の持ち替えは、関係箇所間での調整により実施しているところである。

  5. 輸送障害時における気動車の燃料管理の考え方について明らかにすること。

    回答:気動車の残油量管理は適切に行っているところである。

  6. 羽越本線鶴岡~酒田間における吹き溜まり防止対策を明らかにするとともに、吹き溜まり発生時にはMRにより側雪を除去すること。また、冬期前までに線路に近接するススキ、葦等の雑草を除去すること。

    回答:吹き溜まり防止対策は、優先順位を勘案しながら検討することとなる。また、除雪は状況を勘案し実施しているところである。なお、除草については、計画的に行っているところである。

  7. 2021年12月27日、羽越本線 羽前大山~羽前水沢間・下興屋踏切に起因した輸送障害の原因を明らかにするとともに、対策を講じること。

    回答:雪が原因で自動車が踏切内に立ち往生したと思われる。なお、踏切設備の改良は優先順位を勘案しながら検討することとなる。

  8. 2021年12月26日、2022年1月1日に上沼垂信号場構内北部方ポイント96号及び97号で繰り返し発生したポイント不転換の原因を明らかにするとともに、対策を講じること。

    回答:雪の介在等によりポイント不転換が発生したものと思われる。なお、設備改良等については、支社内の優先順位を勘案しながら検討していくこととなる。

  9. 上越線において積雪による信号機等鉄道設備の埋没が発生し、列車運行が困難な状況が数日間続いたことから、計画的な一斉除雪を行うこと。

    回答:計画的な一斉除雪については、必要に応じて実施しているところである。

  10. GV-E400系の乗降ドアに連続して雪が介在した原因を明らかにするとともに、雪が介在しない対策を講じること。

    回答:雪の介在により発生したものと思われる。なお、GV-E400系のドア下部にはレールヒーターが搭載されている。

  11. 今冬期のホーム除雪に対する課題を明らかにすること。

    回答:ホーム上家が整備されていない駅及びホーム上家が2両分に満たない駅のホーム除雪については、始発列車到着までに指定された2両分のホーム除雪を行い、日中時間帯に掛けて編成両数分の除雪を可能な限り行うように取り組んでいるところである。

  12. 上越線ガーラ湯沢駅ホームの除雪をテンポラリースタッフにより行うこと。

    回答:必要なホーム除雪は行っていく考えである。

  13. 越後線越後曽根駅本線上りレピーターを着雪防止用のビニールで覆うこと。

    回答:越後線越後曽根駅本線上りレピーターを着雪防止用のビニールで覆う計画は今のところない。

  14. 上越線越後川口駅上り本線に施工した停目移設の検証を明らかにすること。

    回答:上越線越後川口駅上り本線に施行した停目移設は一定の効果があったと考えている。

  15. 横取り装置におけるポイント融雪の課題を解消し、出動までの機動性を向上させること。

    回答:必要に応じて除雪していく考えである。

  16. 浦佐寮(社宅側含む)に消雪パイプを設置すること。

    回答:寮及び社宅の除雪については、現行通り居住者が行うこととなる。

  17. 暖房予熱の見直しを行ったことによる成果と課題を明らかにすること。

    回答:暖房予熱の見直しについては、一定の効果があったと考えている。

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  ■ 団体交渉のポイント

  • 上越線で列車の終日運休が続いた原因について
    • 特に上越線の山間部において降雪、積雪が例年をはるかに上回る量となり、計画運休を手配して除雪しないと対応できない状況になっていた
    • 全体を見て集中的に除雪した方が効果的と判断し、結果的に長期間の運休となった
    • 運転計画については、気象予報会社の情報も判断材料であり、除雪をしても運転再開は無理と見れば運休と判断している
    • 以前は列車が雪を抱いて動けなくなってから除雪作業に入ることが多く、列車が停車していることで除雪作業も難渋していたが、近年は予報により事前に運転を取り止めて除雪しているので作業はスムーズに行われている
    • 初めから終日運休と決めていた訳ではなく、「始発から何時まで運休」と計画していたものが、降雪や除雪作業難渋により結果的に終日運休となってしまったケースが多い
    • 無理をして動かして止まったことで運休となった訳ではない
    • 除雪計画で優先すべきは駅間停車をさせないことであり、その危険性があれば未然に防ぐためにどうするのか、対策本部で議論し判断している

  • 羽越本線・下興屋踏切に起因した輸送障害について
    • 踏切内に散水はしていないため、基本は人力となる
    • 改修には踏切全体を直す必要があるが当該踏切の優先順位は低く、対策としては定期的な巡回と人界戦術による除雪となる

  • 羽越本線・鶴岡~酒田間の吹き溜まり防止対策について
    • 防風柵設置が対策となるが必ず防げると確約できるものではない
    • 吹き溜まりは、その時の環境によって変わり決まった箇所にできる訳ではないため有効な対策はないが、その中でも考えられるのが防風柵
      組合
      雑草が吹き溜まりを作り出す原因の1つではないか。冬期前に除草する計画はあるのか
      支社
      全線において実施する計画はないが、苦情があれば除草する。計画的に除草は行っている

  • 除雪作業終了後に安全確認列車により信号が見えないことが判明した事象について
    • MRや投排雪保守用車と列車では運転台の高さや位置の違いがあることや、除雪が終了してから安全確認列車まで時間があり降雪を読めなかったことから、見えないことを事前に確認できなかった
    • 一斉除雪を行う判断は、乗務員からの申告や、駅からの情報提供などにより総合的に判断しているが、雪が降り続いている状況ではできない

  • 運転再開見込みのプレス発表について、今冬期の課題について
    • 当初は昼から運転の予定が終日運休となり、家に帰られなくなるケースが発生したことについては、計画通りにならずご迷惑をかけている認識はある
    • 相手が自然なので対応が難しく、動く見込みがないのに動くとは言えないため、早目に判断をしてお客さま自身に対応を考えてもらうことも必要と判断しているところもある
    • 社員への情報伝達としては、対策会議の内容を現場社員が見られる環境はあり、旅客一斉メールも早目に送信している
    • 乗務員がD―TAC使用中に配信を受信して画面が切り替わると弊害になり通知を付けるのは難しいため、個々で情報収集をお願いしたい

  • 始発から通常運転を行っている中で急遽列車を運休する場合のお客さま救済について
    • 代替輸送の課題としては時間がかかること
    • 状況変化がつかみづらく時間がかかるため、手配している間にお客さま自身で迎えを呼んで帰るケースがある

  • タクシーによる乗務員の送り込みについて
    • 支社またがりも含めて運輸区間での調整により実施していると
    • 持ち替えができるところは行っている認識であり、後行路や車両運用の関係もあることから、行わないと言うよりはできない条件の場合もある

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