地本申15号コーナー

新潟運輸区における磐越西線の安全教育の在り方に関する緊急申し入れ

最終更新日 2023年 7月 9日


→地本団体交渉コーナーへもどる

  ■ 申15号 新潟運輸区における磐越西線の安全教育の在り方に関する緊急申し入れ

2023年 2月28日申し入れ

 標題について、4月1日に磐越西線の全線開通が予定されており、新たに乗務を開始する新潟運輸区車掌の教育は訓練会で動画視聴及び注意事項に各自一律2時間の超勤で教育することが指示されています。新たな乗務線区において一度も信号機等の現物を確認することなく、また会社として実作業が可能か否かの確認(見極め等)を行うことなく一律2時間の座学で単独乗務を開始するとの現場説明が事実であるとすれば、安全に対する軽視が甚だしく、お客さまの命を運ぶ立場から到底認められるものではありません。

 安全を最優先課題に掲げ、安全を大前提とする施策を推進するJR東日本として、極めて杜撰な教育と言わざるを得ず、今後の安全安定輸送に与える重大な懸念を看過できないことから、下記の通り申し入れますので、新潟支社の誠意ある回答を要請します。


  1. 新潟運輸区で行われている磐越西線の教育方法及び勤務の取り扱いについて、新潟支社の見解を明らかにすること。
  2. 新たな線区に乗務する社員に対する教育の考え方及び方法を明らかにすること。
  3. 単独乗務を開始する社員が、作業を行うのに必要な適性、知識及び技能を保有していることを確認する方法を明らかにすること。
  4. 新たな線区に乗務する際には、当該線区を熟知した乗務員等による直接の指導により、実際の線路、設備及び機器を用いて教育を行うこと。
  5. 教育に要した時間は座学、ウェブ等方法によらず全て労働時間とすること。

以上

→地本団体交渉コーナーへもどる

  ■ 団体交渉の日程が決定!

  ★ 2023年 3月30日 11時00分より団体交渉を行います

→地本団体交渉コーナーへもどる

  ■ 団体交渉を終了!

  ★ 2023年 3月30日 11時00分より団体交渉を行いました

→地本団体交渉コーナーへもどる

  ■ 支社側の回答及び見解

  1. 新潟運輸区で行われている磐越西線の教育方法及び勤務の取り扱いについて、新潟支社の見解を明らかにすること。

    回答:必要な教育・訓練は実施していく考えである。なお、勤務の取り扱いについては就業規則に則り取り扱うこととなる。

  2. 新たな線区に乗務する社員に対する教育の考え方及び方法を明らかにすること。

    回答:必要な教育・訓練は実施していく考えである。

  3. 単独乗務を開始する社員が、作業を行うのに必要な適性、知識及び技能を保有していることを確認する方法を明らかにすること。

    回答:必要な教育・訓練は実施していく考えである。

  4. 新たな線区に乗務する際には、当該線区を熟知した乗務員等による直接の指導により、実際の線路、設備及び機器を用いて教育を行うこと。

    回答:必要な教育・訓練は実施していく考えである。

  5. 教育に要した時間は座学、ウェブ等方法によらず全て労働時間とすること。

    回答:必要な労働時間は確保する考えである。

→地本団体交渉コーナーへもどる

  ■ 団体交渉のポイント

  • 新潟運輸区で行われているWeb動画による教育について
    • 必要な教育・訓練として動画などのWeb研修、シミュレーター、駅配線図などの資料、アンケートを行った。シミュレーターの映像を加工した映像を見ると同時に紙ベースの資料を使い、各駅の要注意点などの伝達を行った
    • 動画の利点としていつでもどこでも視聴可能。不安なら巻き戻して見られる。今までは線見を1回していたが、線見より手軽にできる
    • 動画だけで不安がある場合は、希望すれば添乗など再教育・フォローしていく
    • 不安申告で一概に添乗とはしていない。初めて乗務する時は動画でも線見でも不安に思うもの。不安で乗務しているのは承知している

  • Web動画による教育を決定した経緯について
    • Web動画での教育は現場との会議で決定した
    • 1月上旬にアンケートを行った。目的は新たな教育方法をどのように行うのがベストか業務運営上でアンケートをとった。希望の把握というよりも意識調査
    • 旧仙台支社の乗務員は線見を行っている事は把握している。動画での教育は新潟支社で考え行っている
    • 新潟運輸区の車掌の要員が逼迫しているのは承知している。線見を行わずに動画での教育とした原因は要員ではない
    • 今回の教育方法はあくまで新潟運輸区の車掌に関することであり、新規養成や他区所からの転入者に対する教育とは別
      組合
      現場長は動画での教育は「苦渋の決断」と言っていた。支社としてはどうか?
      支社
      現場長が何について苦渋の決断と言ったのかは分からない。今回の教育方法で良ければ線見は無くしていく考え

  • 新たな線区に乗務する社員に対する教育について
    • 新たな線区に対して熟知して欲しいポイントなどは、車掌として到着2動作と出発6動作などの基本的な動作ができる状態である事が前提。特に車掌として覚えて欲しいのは駅の形状等
      組合
      様々な不安は少なからずある。「夜間であれば放送ポイントが分からないのではないか」という声が聞こえる
      支社
      自動放送ありきではないが、必ず到着前に案内放送をすることにはなっていない。マニュアルでは駅発車後に次駅の放送で良いとなっている
    • 新たな線区に対して線見の考え方は変わってはいない。動画という選択肢を増やしたという認識である。運転士においての考えも変わってない
    • 相互運用者の方が見習いをしていない線区に乗り入れる場合に、動画での教育・訓練として行く可能性はありえる
    • 動画教育で安全レベルを下げるようなことはしない

  • 作業を行うのに必要な適性、知識及び技能を保有していることを確認する方法について
    • これまでも新線路において見極めは行っていない。あくまで乗務できるかの判断であり、見極めは新規のみ
    • 動画を視聴したかどうかは乗務員の申告に基づいて教育したと判断。これをもって訓練となる
      組合
      「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」には「列車等の運転に直接関係する作業を行う係員」に車掌も含まれるとある。会社は適正、知識及び技能を保有していることを確認する必要しなくて良いのか?
      支社
      添乗で確添乗していない乗務員については確認しないのか?認している
      組合
      今までもやっていない。省令については違反している認識にはない。解釈の違いで、新規乗務員には見極めを行っていくが、転換者・異動者は行わないが添乗などで把握していく

  • 新たな線区に乗務する際の教育について
    • 支社としても理想的な教育に関しては線見であるが、新たな働き方やロスを考えたときに動画であれば体感的や風景的なものも把握できる
    • 今後、必ずしも全てWeb動画とする考えではない。Web動画も線見も色んな選択肢を増やした。どちらが良い悪いという事ではなく、教育環境を整えていく。添乗であれば2人の目でいくことと身体で体感できることもある

  • 教育に関わる労働時間について
    • 教育・訓練に要した時間は、動画を視聴した2時間を一律で整理した
      組合
      2時間だけでは動画の視聴で終わってしまう。他の資料等を参照した場合、2時間以上かかる。そういった部分に不安がある
      支社
      本人が不安を訴えた中で、管理者が必要とした状況と判断すれば業務指示として超勤はあり得る
      組合
      その場合、超勤となる時間は自己申告か?
      支社
      申告により超勤だが、レクチャー=全て超勤とはならない。その時の場合にもより、立ち話程度では超勤とはならない

→地本団体交渉コーナーへもどる