情勢を知ろうのコーナー

2019年 賃金引き上げのたたかいを取り巻く情勢についてお届けします

最終更新日 2020年 1月13日


→賃金引き上げのたたかい2020へもどる

  ■ 全トヨタ労連がベア実質3000円以上要求へ 賃上げ総額を重視 NEW

 トヨタグループの労働組合で組織する全トヨタ労働組合連合会は1月10日に開催した中央委員会において、2020年春闘でベースアップに相当する賃金改善分として、実質3,000円以上を目安とする要求の方針を正式決定しました。

 ベア要求は7年連続で、一時金は5カ月以上を求めるとしています。

 加盟組合内の賃金水準に格差があるため、ベア額だけでなく定期昇給維持分なども合計した賃上げ総額を重視する姿勢は維持し、今春闘から非正規雇用の組合員の賃上げを本格的に要求するとしています。

→賃金引き上げのたたかい2020へもどる

  ■ 自動車総連 2年連続でベア統一要求額は掲げず NEW

 自動車メーカーなど関連企業の労働組合で構成する自動車総連は1月9日に中央委員会を開催し、2020年春闘の方針を決定しました。

 ベースアップに当たる賃金改善分の引き上げを7年連続で要求する一方で、2年連続で統一要求額は掲げませんでした。

 賃金カーブ維持分や基本給が企業により異なるため、同額のベアが達成されても企業間の格差は埋まりにくいことから、各労組が状況に合わせた賃上げ要求を行うことで大手と中小の格差是正を目指すとしています。

→賃金引き上げのたたかい2020へもどる

  ■ 黒田日銀総裁が経団連に賃上げ要望 「賃金上昇は企業にとっても有益」 NEW

 日本銀行の黒田総裁は、12月26日に開かれた経団連の審議員会で講演を行いました。

 ベースアップは2013年の異次元緩和導入後に6年連続で実施されており、「緩やかな賃金・物価の上昇は企業にとっても有益」との考えを示した上で、「賃金と物価の好循環はなお力強さに欠けている」と指摘し、企業に対し一層の賃上げへの期待を表しました。

 経団連の中西会長は審議員会後に記者団に対して、経団連として賃上げの勢いは守っていこうと言っていると強調しました。一方で、企業戦略に応じて一律の議論は意味がないとして「われわれが目安を言うべき筋合いはない。各社が自分たちの戦略に合った形で賃上げをしてほしい」と述べて、2020年春闘の経営側の指針には数値目標を盛り込まない考えを示しました。

→賃金引き上げのたたかい2020へもどる

  ■ 安倍首相が経済界に対して7年連続の賃上げ呼び掛け NEW

 安倍晋三首相は12月26日に経団連の審議員会に出席し、「企業は大胆な投資と人材への投資が重要」「来春、みなさんに大いに期待している」と挨拶をし、経済界に対して賃上げへの協力を呼びかけました。

 安倍政権が企業に賃上げを促すのは7年連続となります。

 安倍首相は参考として前回昭和39年の東京オリンピック当時の賃上げ率は12%だったと述べて賃上げに期待感を示す一方で、昨年に続き具体的な数値目標については言及しませんでした。

→賃金引き上げのたたかい2020へもどる

  ■ 経団連会長、日本型の雇用慣行見直しに言及

 経団連の中西会長は12月23日の定例会見で、2020年春闘に向けた経営側の基本スタンスについて述べました。

 中西会長は「最大の経営資源は人材で、残業時間規制だけではない、個人のやる気や挑戦を後押しする処遇や働き方改革が必要だ」と述べて、柔軟な働き方や処遇を実現する仕組みづくりの議論を労使で進める考えを示しました。

 新卒一括採用や終身雇用、年功型賃金といったこれまでの慣行を前提に企業経営を考えることが「必ずしも時代に合わないケースが増えている」と指摘し、企業に見直しを促すとしました。

 来年1月に公表する2020年春闘の交渉方針でも、雇用慣行に言及するとしています。

→賃金引き上げのたたかい2020へもどる

  ■ 全トヨタ労連 実質3000円以上のベースアップを要求へ

 トヨタ自動車グループの315労働組合で構成される全トヨタ労働組合連合会は12月17日に各労組代表者会議を開き、2020年春闘の執行部案をまとめました。

 ベースアップに当たる賃金改善分として月額3000円以上を要求する方針で、ベア要求は7年連続となります。

 平均賃金について「賃金カーブ維持分に3千円以上を加えた総額原資を要求する」として、ベアを意味する「是正分」という言葉は使わず、あくまで各労組での「目指すべき賃金」の実現を目標とした総額ベースで要求する考えとしています。

 年間一時金は5カ月以上とし、非正規雇用の組合員に対する賃上げ要求も加えています。

 方針は来年1月の中央委員会で正式に決定します。

→賃金引き上げのたたかい2020へもどる

  ■ 経団連が会長・副会長会議 賃上げ維持を明言も雇用制度見直しに言及

 経団連は12月9日に会長・副会長会議を開催し2020年春闘について骨子案を協議しました。

 賃上げについては維持する一方で、終身雇用、新卒一括採用など日本型の雇用制度を見直し、成果・役割に応じた賃金項目への配分を手厚くすることを求めることで一致しました。

 議論を反映した「経営労働政策特別委員会(経労委)報告」は来年1月に公表されます。

 中西会長は同日の定例会見で、「この20年は景気低迷である意味、賃金上昇は押さえられていた」「賃金上昇のモメンタムについては明確に出していきたい」と述べて、賃上げの維持を明言しました。

 また、「働き手のエンゲージメントを高めるための制度改革、教育、働く環境をどう整備するかに取り組みたい」として、働き方改革や労働環境の見直しについて労使の議論が必要としました。

 さらに、AIなどデジタル化対応に向けて「既存の新卒一括採用や年功で昇進させるシステム1本ではグローバル競争の中ではうまくいかない」として、既存の日本型雇用制度の見直しに踏み込む方針を示しました。

→賃金引き上げのたたかい2020へもどる

  ■ 金属労協が2020春闘方針を決定 ~5年連続で3000円以上のベースアップを要求へ

 自動車や電機など製造業の労働組合で組織する金属労協は12月4日に開かれた協議委員会において2020春闘の方針を決定しました。

 月額3000円以上のベースアップを統一要求とする方針で、ベア要求は7年連続、3000円の要求額は5年連続となります。

 このほか、大企業と中小企業間の格差是正と底上げに向けて、約3年後の中期的目標として高校卒業初任給で「月17万7000円、1時間当たり1100円」を新たに掲げました。

 高倉議長は協議委員会で「環境が厳しいときだからこそ人への投資が重要。働く人の意欲や希望が損なわれ、個人消費が活性化されず、企業や日本経済の成長をも阻害することになる」と訴えました。

方針決定を受けて今後、 金属労協を構成する各産別で要求額が決定されます。

→賃金引き上げのたたかい2020へもどる

  ■ 連合が2020春闘方針を決定 ~最低賃金の具体額初要求~

 ナショナルセンターの連合は、12月3日に中央委員会を開催し、2020春闘の方針を決定しました。

 2019年と同じく、2%程度を基準とするベースアップに2%の定期昇給とをあわせ、「4%程度」を賃上げ要求の水準としました。 連合がベースアップについて2%の要求を掲げるのは、2015年の春闘から6年連続となります。

 また、従来型のベースアップ要求だけでなく、企業内最低賃金について最低限到達すべき水準として「時給1100円以上」を掲げ、具体的な金額目標を初めて盛り込みました。勤続17年(35歳相当)で月給28万500円を目指す昇給の制度設計を目指すとしています。

 企業規模や雇用形態による賃金や待遇の格差是正を訴え「底上げ・底支え」「格差是正」を掲げ、賃金格差の解消狙います。

→賃金引き上げのたたかい2020へもどる

  ■ UAゼンセンが方針の素案を公表 ~5年連続で2%基準のベア要求へ~

 繊維や流通、外食などの労組で構成する産業別労働組合のUAゼンセンは、11月28日に、2020春闘における闘争方針の素案を公表しました。

 基本給を底上げするベースアップについて、正社員で5年連続となる「2%基準」の賃上げを求めます。また最低限の水準に満たない企業などに対しては、ベアと定期昇給分を合わせ9500円または「4%基準」を要求するとしています。

 闘争方針は来年1月30日の中央委員会で正式に決定されます。

→賃金引き上げのたたかい2020へもどる

  ■ 経団連会長が記者会見 ~従来の賃上げ交渉の場からの転換求める~

 経団連の中西会長は11月25日の記者会見において、2020年春闘について「経済活動の質的向上を話題にしたい」と述べ、働き手のやりがいを高める労働環境の整備を会員企業に要請する考えを示しました。

 春闘交渉については従来の賃上げ交渉の場から、労働者のやる気や生産性を高める課題解決に向けた「労使一体となった打ち合わせの場というトーンにしたい」として、働き方改革も含めて議論する機会へと転換したいとの考えを示しました。

 経団連の方針は「経営労働政策特別委員会報告」(経労委報告)として、来年1月に経営者側の指針として公表されます。

→賃金引き上げのたたかい2020へもどる

  ■ 連合2020春闘の基本構想を発表 ~最低賃金1100円 ベアは5年連続で2%程度~

 ナショナルセンターの連合は、10月24日に2020年春闘の基本構想を発表しました。

 最低賃金を時給1100円以上として、勤続17年(35歳相当)で時給1700円、月給28万500円を目指すとするなど、達成すべき金額や水準を初めて明記しました。

 目標金額を明記することで、雇用形態や企業規模により広がりがちな賃金格差の解消を進めることが狙いとしています。

 基本給を底上げするベースアップも7年連続で要求し、ベアの水準は5年連続の「2%程度」、定期昇給などと合わせて4%程度とする従来型の賃上げ要求も併記しました。

→賃金引き上げのたたかい2020へもどる

  ■ 西村経済再生相が2020春闘での賃上げ継続を経団連に要請

 西村経済再生担当相は10月23日に開かれた経団連との意見交換会において、2020年春闘に関して「6年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げが続いてきている。デフレ脱却に向けて継続が必要だ」と強調し、「外需に不透明感がある中で厳しい面があると思うが、賃上げの継続をお願いしたい」と要請しました。

 会合には経団連の中西会長をはじめ幹部が出席しており、中西会長は検討を継続していきたいと応じました。

→賃金引き上げのたたかい2020へもどる