情勢を知ろうのコーナー

2021年 賃金引き上げのたたかいを取り巻く情勢についてお届けします

最終更新日 2021年 4月11日


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  ■ 金属労協が回答の中間集計を発表 ベア実施は2014年以降最低の水準に

 自動車や電機など五つの産業別労働組合で構成する金属労協は4月2日に、3月末時点での2021春闘における経営側回答の中間集計を発表しました。

 これによると、基本給を底上げするベースアップが平均1254円で、前年同期に比べ56円高くなりました。規模別では組合員1000以上の大企業で昨年より88円低下の923円だった一方で、299人以下の中小では69円増の1400円となりました。

 ベースアップを獲得した割合は38.4%となり、安倍政権が賃上げの要請を始めた2014年以降では最低となりました。

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  ■ 連合が春闘の第2次回答集計を発表 賃上げ率は2%を下回る

 連合は3月26日、2021年春闘の回答について、第2次集計を発表しました。

 これによると、ベースアップと定期昇給を合わせた平均の賃上げ率は第1回集計と同じく1.81%で、昨年と比べ0.13ポイント低下しました。

 賃上げ率は組合の規模別で、組合員数1000人以上の1.80%に対して99人以下では1.88%となり、規模の小さい企業や組合での賃上げ率が大企業を上回りました。

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  ■ ソニー、7.0ヶ月分の年間一時金を回答

 ソニーは3月24日に、ソニー中央労働組合に2021春闘の回答を行いました。

 月例賃金は一般社員の平均で約2%引き上げ、年間一時金は労組の要求6.09カ月分を上回り、過去最高となる7.0カ月分を回答しました。

 ソニーは2021年3月期の決算で連結純利益が初めて1兆円を超える見通しで、年間一時金には特別一時金0.3カ月分を含むとしています。

 ソニーは電機連合の統一交渉には参加していません。

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  ■ 連合が春闘の第1次回答集計を発表

 連合は3月19日、2021年春闘の回答について、第1次集計を発表しました。

 これによると、ベースアップと定期昇給を合わせた賃上げ率は0.1ポイント減少した1.81%となり、2年連続で2%を下回りました。 

 平均の賃上げ額は5563円で、昨年を278円下回りました。

 一方で、ベースアップの実施が確認できた286労組でのベア額は1685円で、昨年を262円上回となりました。

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  ■ UAゼンセンが春闘の回答集計を発表

 流通や外食、繊維などの約2300の労働組合で構成されるUAゼンセは3月18日に2021年春闘の妥結状況を発表しました。

 18日の10時までに妥結した163組合で、ベースアップと定期昇給などを含む1人当たりの賃上げ率は、正社員で月額6935円で、昨年を331円上回りました。

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、業績が悪化した製造産業と外食などの総合サービスの両部門の賃上げ額が前年を下回る一方で、巣ごもり消費を取り込んだ流通部門では7割の労組で回答額が前年を超える結果となりました。

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  ■ 非鉄製錬大手が一斉回答

 3月17日、主要企業の一斉回答日を迎え、非鉄製錬大手でも回答が行われました。

 JX金属は、全組合員対象の「資格給」の増額のほか、国内の生産事業所に勤務する組合員に一律3000円を支給する新手当の支給により3390円の賃金改善を実施すると回答しました。

 三井金属は役割基本給500円増額に加え、役職手当を5000円増額とする回答を行いました。

 住友金属鉱山は賃金改善の実施を見送る一方で、年間一時金では昨年実績を上回る180万円で満額回答しました

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  ■ 大手電機は8年連続のベア実施

 3月17日、主要企業の一斉回答日を迎え、電機各社でも回答が行われました。

 三菱電機、東芝、富士通などで、ベースアップに相当する賃金改善額について、前年と同水準の月1000円を回答しました。

 パナソニックは賃金改善と確定拠出年金の掛け金の増加分の総額で、前年同額の1000円の回答としました。

 NECも1000円を回答し、その内訳は賃金改善の500円と福利厚生に使えるポイント500円の総額としました。

 日立製作所はベアに相当する賃金改善分について1200円を回答しました。

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  ■ 自動車各社で一斉回答 昨年を上回る満額回答も

 3月17日、に主要企業の一斉回答日を迎え、自動車各社でも回答が行われました。

 トヨタ自動車は、定期昇給や各種手当などを含む総額として組合の要求通り1人平均9200円の賃上げを回答しました。昨年実績を600円上回ります。年間一時金も昨年より0.5カ月低いものの、6.0カ月で満額回答を示しました。

 日産自動車は、ベアや定期昇給などを含む平均賃金改定額について、組合要求通り前年と同額の月7000円を回答しました。賞与についても組合要求満額に相当する5.0カ月を回答しました。

 スズキは、賃上げ総額は要求より500円少ない7000円とする一方で、賞与は年5.3カ月分と満額回答としました。

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  ■ ホンダ、賞与満額回答 集中回答日を前に異例の早期回答

 ホンダは3月10日に、2021年春闘で年間一時金について労働組合の要求通り年5.3カ月分の満額回答を行い、妥結したと発表しました。

 ホンダの労働組合は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う事業環境の悪化を踏まえ、定期昇給分は確保したうえでベースアップに相当する賃金改善分の要求を8年ぶりに見送っていました。

 「将来に向け労使でスピード感を持って改革に取り組んでいくため」として、3月17日に予定している大手企業の集中回答日の1週間前で、異例の早期妥結となりました。

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  ■ 航空各労組、ベア要求を見送り

 日本航空最大の労働組合であるJAL労働組合は3月1日に中央委員会を開催し、春闘の方針を決定しました。

 ベースアップの要求を見送り、年間ボーナスについて、夏冬それぞれで月額給与の1か月分、計2か月分を要求としました。

 ボーナスの支給額を夏冬まとめて交渉する年間一括協定の締結要求も見送り、夏冬それぞれの時期の業績を見極めながら、経営側と交渉する形としました。

 全日本空輸の地上職や客室乗務員らで構成するANA労働組合は3月3日、年間ボーナスを「最低でも月額給与の1か月分」とする2021年春闘の要望を経営側に提出しまた。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今年も旅客数の大幅な回復は見込めないと判断し、ベースアップの要求は行わず、最小限の要求に絞り込みました。

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  ■ 春闘ヤマ場に向けて連合が中央集会を開催

 ナショナルセンターの連合は3月2日、要求実現に向けた中央集会をオンライン方式で開催しました。

 神津会長は挨拶の中で、「この20年余りの賃金低下・雇用の劣化への逆戻りという危機を跳ね除けなければならない」「すべての働く者の処遇改善を実現し、何としても分配構造の転換を果たすために連合一丸となって闘い抜く」と決意を述べました。

 傘下の労働組合の代表者が賃上げの実現に向け決意表明を行い、「人への投資こそが日本の未来を創る」とする集会アピールを採択しました。

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  ■ トヨタの労使が春闘の第1回団体交渉

 トヨタ自動車の労働組合は2月24日に、2021年春闘における第1回目の団体交渉を行いました。

 組合側は賃上げ水準の具体的な議論に踏み込まず、組合員が能力を発揮するための課題や業務の見直しなど、職場改革に焦点を当てて議論を行いました。 

 3月17日の集中回答日に向けて、週1回のペースで協議を重ねるとしています。

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  ■ 政府諮問会議 成長軌道に不可欠として菅首相が高収益企業に賃上げを要請

 政府は2月24日に菅首相を議長とする経済財政諮問会議を開催し、再発令して新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言解除後の経済再生策を議論しました。

 菅首相は会議で「経済を成長軌道に戻すには再び賃上げの流れが不可欠だ」「業績を反映し、それに応えてほしい」と述べて、高収益企業に対し2021年春闘での賃上げ継続を要請しました。

 民間議員からは「今春闘における賃上げの勢いの維持を、収益の良い企業がけん引し推進すべきだ」との指摘があり、新型コロナウイルス対策で打撃を受けているサービス業などに向けた雇用維持や円滑な転職の支援を政府に求めました。

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  ■ 電機大手7労組が2,000円のベースアップ要求を提出

 電機大手の各労働組合は2月18日に要求を提出しました。

 日立、三菱電、東芝、パナソニック、富士通、NEC、シャープの電機大手の7労組は、ベースアップについて各労組とも月額2,000円を求めました。

 このほか、日立製作所労組は在宅勤務や感染予防にかかる費用の補填として1人5万円、1日当たり250円の在宅勤務手当新設を求めました。

 NEC労組も、在宅勤務の電気代や通信費の実費相当分(1日当たり100円)を経費精算できるよう求めています。

 年間の一時金は、業績連動型のため要求外となる5社のほか、日立で6.0カ月分、三菱電機は5.7カ月分を要求しました。

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  ■  全トヨタ労連 平均6003円の賃上げ要求

 トヨタ自動車グループの労働組合で構成する全トヨタ労働組合連合会は2月17日に、加盟する122組合が春闘の要求書を提出したと発表しました。

 トヨタ自動車労働組合を除いた平均の要求額は、ベースアップに当たる賃金改善分と定期昇給などを合わせた総額で月6003円でとなりました。

 一時金の要求月数はトヨタ労組を含め平均年間5.0カ月となりました。

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  ■ 自動車の各労組が要求書提出 ベースアップの有無非開示が相次ぐ

 自動車大手の労働組合は2月17日に2021春闘の要求書を経営側に提出しました。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響や経営環境の変化をうけて、総額方式での要求や、ベースアップの見送りなどが相次ぎました。

 トヨタ自動車労働組合は定期昇給、手当を合わせた総額として全組合員平均月9200円の賃上げを要求し、ベースアップの有無は非公表としました。

 日産自動車労働組合は5年ぶりに要求額を引き下げ、総額で組合員平均月7000円の賃上げを要求し、同じくベースアップ分を開示しませんでした。

 スズキ労組も昨年より低い月額平均7500円を要求、SUBARU労組は月7000円を要求し、いずれもベア相当分は開示しませんでした。

 ホンダ、マツダ、三菱自動車の労組は8年ぶりにベースアップ要求を見送りました。

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  ■ 重工・造船大手の労使交渉開始 10年ぶりにベア要求見送り

 基幹労連に加盟する重工、造船大手の労働組合が2月12日に、春闘の要求書を経営側に提出し、2021年の労使交渉が始まりました。

 基本給を底上げするベースアップは、新型コロナウイルス流行などの影響による業績悪化を受けて、10年ぶりに要求を見送りました。

 年間一時金は、三菱重工労組が前年要求を0.25カ月下回る5.7カ月分、IHI労組は0.6カ月少ない5.0カ月分を要求しました。

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  ■ トヨタ労組、9200円の賃上げ要求を決定、ベア有無は非公表

 トヨタ自動車労働組合は2月10日に評議会を開き、2021年春闘要求を決定しました。

 これによると、非正規従業員を含む全組合員平均で月9200円を要求するとしています。

 賃上げは総額で要求し、今年からは基本給を底上げするベースアップを含むかどうかを組合員を含め明らかにしないことを決定しました。

 一時金は昨年より0.5か月低い年6カ月分を求め、2月17日に要求書を提出すします。

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  ■ NTT労組、年収2%増要求を決定

 NTT労働組合は2月10日に、非正規社員を含む組合員の年収の2%引き上げを求める2021年春闘の方針を決定しました。

 2%増の要求は3年連続で、グループ主要会社の月例賃金で平均6000円に相当します。

 2月15日にも各社の経営側に要求書を提出します。

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  ■ 連合が春闘総決起集会を開催 闘争開始を宣言

 ナショナルセンターの連合は2月5日、新型コロナウイルス感染防止のため仮想現実(VR)技術を使ったバーチャル空間で2021年春闘の総決起集会を開き、闘争開始を宣言しました。

 神津会長は挨拶で「春闘での底上げや格差是正の闘いは始まったばかり」「コロナに便乗した賃上げストップは絶対に許されない」と訴えました。

 大手企業の労組は今月中旬までに経営側へ要求書を提出し、集中回答日とする3月17日に向けて交渉が本格化します。

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  ■ JP労組が6,000円のベア要求を決定 原資は供与格差是正に

 日本郵政グループのJP労組は2月5日に定期全国大会をオンライン形式で開催し、2021年春闘でベースアップを要求する方針を決定しました。

 要求額は昨年と同じ月額6000円で、ベアの原資は全体の賃金引き上げではなく、社員間の給与格差を是正するために賃金水準の低い若年層や一般職の賃上げに充当するとしています。

 年間一時金は昨年と同じ4.5カ月分を要求します。

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  ■ JR連合1000円のベア要求を決定 私鉄総連は900円

 JR各社の労働組合で構成されるJR連合は、2月3日に2021年春闘の方針を発表しました。

 これによると、定期昇給の完全実施を確保した上で、ベースアップに当たる賃金改善として実質月額1000円を求めるとしています。

 2月4日にはJR連合傘下のJR西労組が中央委員会を開き、ベースアップの要求を見送る方針を決めました。

 ベア見送りは、1991年の結成以来初で、新型コロナウイルスの感染拡大で業績が悪化していることを踏まえました。

 ボーナスに相当する一時金は年間3.5カ月分を求めるとしています。

 一方で、私鉄各社の労組で組織する私鉄総連は900円を要求する方針です。

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  ■ 電機連合が2,000円以上のベア要求を決定 コロナ禍での働き方の議論も

 電機メーカーなどの労働組合で構成する電機連合は1月28日に中央委員会を開き、月額2,000円以上のベースアップを統一要求基準とする2021春闘方針を決定しました。

 2020年春闘と比べ1,000円低いものの8年連続のベア要求となります。

 電機連合は2015年以降、要求額を上部団体の金属労協に揃えてきましたが、「月額3000円以上」の水準とは異なる要求を掲げる異例の展開となりました。

 電機業界では、主要企業の労組が要求額と回答額、交渉日程をそろえる「統一交渉」が慣例となっていますが、昨年同様に人材育成など人への投資について妥決における柔軟性を認めるとし、在宅勤務の費用負担など、コロナ禍の中での働き方の変化に合わせた議論も各社で行うとしています。

 方針決定を受けて、傘下の主要労組は2月18日までに経営側に要求書を提出します。

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  ■連合・経団連のトップ会談で2021年春闘事実上のスタート 賃上げの必要性は一致も労使の温度差浮き彫り

 1月27日に経団連と連合の両会長が会談し、2021年春闘が事実上スタートしました。

 連合の神津会長は、「この20年あまりで日本の平均賃金は下がっており、デフレ脱却と経済の好循環に向けた取り組みは緒についたばかり」「政府労使で賃上げの流れをつくってきたが日本全体に浸透していない」として、中小企業を含めた全体での底上げが必要だと訴えました。

 経団連の中西会長は、賃金水準の低さに対する危機感は共有しながらも、「働きがいを実感できる職場環境づくりが今回の春闘の大きなテーマ」として、働き方の見直しを重視すると述べました。

 雇用に対するセーフティーネット整備が必要との認識で一致した一方で、賃上げについては企業ごとの対応を求める経団連と、基本給の底上げとなるベースアップを求める連合との間で議論は平行線に終わりました。

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  ■経団連が労使フォーラムを開催 事業継続・雇用維持優先を強調

 経団連は1月26日に「労使フォーラム」を開催し、経営者や労働者の代表が参加しました。

 経団連の中西会長は、企業業績にバラつきがあり横並びの賃金引き上げは厳しいとして、自社の実情に合った賃金決定の重要性を訴え、「事業継続と雇用の維持が最優先」との見解を示しました。

 連合の神津会長は、マクロ経済に及ぼす賃上げの影響は非常に大きいとして、「コロナ危機にあってもどうやって賃上げの勢いを維持するかが最大のテーマ」と訴えました。

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  ■ 自動車各労組が方針案を固める ベア要求見送り相次ぐ

 1月22日以降、自動車大手の労働組合の方針案が明らかになりました。

 マツダ労働組合はベースアップに相当する賃金改善分の引き上げを見送り、定期昇給と合わせた賃上げのうち、月6000円の定昇確保だけを求めるとしました。

 本田技研労働組合、三菱自動車工業労働組合もベースアップに相当する賃金改善分の要求を8年ぶりに見送る方針を決めました。

 トヨタ自動車労働組合は定期昇給、手当を合わせた総額として全組合員平均月9200円の賃上げを求めるとしましたが、ベースアップを含むかどうかは公表していません。

 それぞれの要求は2月に行われる委員会で正式に決定されます。

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  ■ 賃上げに内部留保の活用を求める ~連合が記者会見~

 連合の神津里会長は1月21日に記者会見を行い、2021年春闘において企業規模や雇用形態による格差是正が必要と述べました。

 一律の賃金引き上げに否定的な見方を示した経団連の経労委報告を受け、もっと日本全体の雇用や賃金水準に目を向けた表現をしてほしいとしました。

 新型コロナウイルス禍のような危機に対応するために内部留保は必要とした上で、ここ数年はたまり過ぎだと指摘し、内部留保を活用するなどして賃上げに積極的になってもらいたいと求めました。

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  ■ 経団連が2021年春闘の指針を公表 ~一律賃上げは非現実的も好業績ならベアも選択肢~

 経団連は1月19日に、2021年春闘での経営側の指針となる「経営労働政策特別委員会(経労委)報告」を発表しました。

 新型コロナウイルス感染症の拡大により経営環境が激変したことから、社員の雇用を守ることの大切さを労使で再認識することが前提としたうえで、業種横並びや各社一律の賃金引き上げを検討することは現実的ではないとして、初めて業績内容に応じて賃金交渉の方針を書き分けました。

 好業績の企業についてはベースアップも選択肢のひとつだとして、昇給の実施や賃上げについて労使で議論し、成果による査定配分など個人の貢献度などに応じた重点化を図るとしました。

 一方で、収益状況が大幅に悪化し回復の見通しが立ちにくい企業は、事業継続と雇用維持を最優先に交渉を行うことになるとして、ベアの実施は困難だとしました。

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  ■ 全トヨタ労連はベア要求額を掲げず 一時金は年5カ月以上を要求

 トヨタグループの労働組合で組織する全トヨタ労働組合連合会は1月15日に開催した中央委員会において、2021年春闘の方針を決定しました。

 8年連続でベースアップ要求を行うものの、定期昇給とベースアップに当たる賃金改善分を含む総額で賃上げを求め、基本給のベースアップ要求の目安額の提示をやめました。

 全トヨタ労連は2019年春闘から脱ベア重視の姿勢に転換し、各組合横並びの統一要求ではなく、各組合がそれぞれ「目指すべき賃金」を設定し、必要な賃上げ額の要求を促してきました。

 これまで水準を示したことで要求にフタをして各社の賃金格差是正につながらなかったとして、横並びの要求ではなく、各企業の事情に応じた各組合の主体的な要求を促すとしています。

 また、一時金要求については年間5カ月以上の要求としました。

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  ■ 自動車総連 2年連続でベア統一要求額は掲げず

 自動車メーカーなど関連企業の労働組合で構成する自動車総連は1月14日に中央委員会を開催し、2021年春闘の方針を決定しました。

 ベースアップに当たる賃金改善分の引き上げを8年連続で要求する一方で、3年連続で統一要求額は掲げませんでした。

 ベアの上げ幅に焦点を当てた要求では大企業と中小企業の格差是正はできないとして、各社の事情に応じて最適な条件を引き出し、大手と中小の格差是正を目指すとしています。

 企業内最低賃金の目標は、昨年と同じ月16万4000円以上としました。

 方針の決定を受け、加盟する各労組は2月17日までに経営側に要求書を提出します。

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  ■ 西村再生相が賃上げ継続要請 ~経団連審議員会~

 経団連は12月24日に審議員会を開催しました。

 会議に出席した菅首相は賃上げには触れなかったものの、西村経済再生担当相はあいさつの中で「経済の好循環を進めるマクロの視点から賃上げの流れの継続をお願いしたい」と述べました。

 コロナ禍で業績が悪化した企業で人員削減やボーナス引き下げなどの動きが相次ぐなかで一律に協力を呼びかけることを避けた一方で、政府として改めて経済界に賃上げを要請した形となりました。

 経済界が春闘の交渉方針を決める前に政府から要請を受けるのは今回で8年連続となります。

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  ■ 電機連合、ベア2000円要求へ

 電機メーカーなどの労働組合で構成する電機連合は、12月22日までに参加の労働組合に対して2021年春闘の要求案を示しました。

 これによるとベースアップの統一要求額を「月2000円以上」とする方向で検討をしています。

 上部団体の金属労協は「月3000円以上」を基準としており、2015年の春闘以降、同一水準の要求を掲げてきた電機連合が独自に要求水準を引き下げるのは異例の対応となります。

 春闘方針は1月下旬に開く中央委員会で正式に決定します。

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  ■ 全トヨタ労連が春闘の要求方針案 8年連続でベア要求も具体的な金額は掲げず

 トヨタ自動車グループの314労働組合でつくる全トヨタ労働組合連合会は12月18日に、2021年春闘の要求方針案を明らかにしました。

 これによると、ベースアップの要求は行うものの、具体的水準は各労組の判断に任せ具体的金額は掲げず、ベアを要求しない労組が出ることも容認するとしています。

 8年連続でベア要求を行う一方で、要求水準を明示しないのは2014年春闘以来7年ぶりとなります。

 方針案は、定期昇給にベアなどを加えた賃上げ要求が基本で、統一的な要求水準をなくし、加盟労組がそれぞれ目指すべき賃金を設定し実現に必要な額を主体的に要求するとしています。

 一時金は前回と同じく「年間5カ月以上」を求めるとしています。

 要求方針は、来年1月15日に開催する中央委員会で正式に決定されます。

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  ■ 経団連が2021春闘の方針案 一律の賃上げを否定、成果に応じた配分を強調

 経団連は12月15日に、2021年春闘について経営側の基本姿勢を示す「経営労働政策特別委員会報告」(経労委報告)案の概要を明らかにしました。

 これによると、業種横並びや各社一律での賃上げについて現実的ではないと否定、連合が掲げる2%程度のベア要求については企業の労働組合などからも共感や理解が得られにくいことが懸念されるとしています。

 その上で、業績が好調な企業の選択肢として基本給を底上げするベースアップがあるとする一方で、一律配分だけでなく、成果や職務など個人の役割や貢献度に応じ重点化を図る重要性を訴える内容となっています。

 また、新型コロナウイルス感染症で収益が大幅に悪化した企業についてはベアの実施は困難だとして、事業継続と雇用維持を最優先に協議すべきだとしています。

 「経営労働政策特別委員会報告」は調整のうえ、来年1月に公表される予定です。

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  ■ JAM 2020年につづき6000円以上のベースアップを要求へ

 機械・金属産業の中小企業労組が加盟するものづくり産業労働組合(JAM)は、12月3日に開かれた金属労協の協議委員会において2021年春闘の方針を表明しました。

 これによると、2020年と同じく、月額6000円のベースアップを要求の基準とするとしています。

 JAMが加盟する金属労協では、協議委員会において月額3000円以上のベースアップを統一要求額とする方針を決定しています。

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  ■ 金属労協が2020春闘方針を決定 ~6年連続で3000円以上のベースアップを要求へ

 自動車や電機など5つの産業別労働組合で組織する金属労協は、12月3日に開かれた協議委員会において2021年春闘の方針を決定しました。

 月額3000円以上のベースアップを統一要求額とする方針で、ベア要求は8年連続、3000円の要求額は6年連続となります。

 一方で、新型コロナウイルスの影響により業種や企業により業績の差が大きいため、各産別労組で要求基準に差が生じることを認めています。

 高倉議長は協議委員会で「それぞれの産業や企業の動向などに基づき、各産別が主体的に決定してほしい」と述べました。

 方針決定を受けて今後、金属労協を構成する各産別で要求額が決定されます。

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  ■ 2%程度のベア要求を決定 ~2021年春闘で連合が方針決定~

 ナショナルセンターの連合は12月1日に中央委員会を開催し、2021年春闘の闘争方針を正式決定しました。

 2%程度のベースアップと定期昇給分を含めて4%程度の賃上げを求めます。2020年春闘と同水準で、ベア要求は8年連続、2%程度とする水準は6年連続となります

 新型コロナウイルス感染症の影響で業績が悪化している企業が多いものの、賃金水準の底上げが必要として要求水準を維持しました。

 連合の神津里季生会長は「これまでの賃上げの流れを止めてはならない」と強調しました。

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  ■ 2%程度のベア要求へ ~連合が方針案を決定~

 ナショナルセンターの連合は11月19日に中央執行委員会を開催し、ベースアップの目標値を月給の2%程度とする要求を掲げる方針案を決定しました。

 要求を「2%程度」とするのは6年連続です。定期昇給分の2%とあわせて4%分程度の賃上げをめざします。

 10月に公表した基本構想では、新型コロナウイルスの影響が見通せないとして数値を盛り込まなかったものの、傘下の労働組合から明確な数字を掲げるべきとの意見が相次いでいました。

 感染症対策と経済成長の両立をめざし、「最大限の底上げに取り組み、2%程度の賃上げを実現する」としました。

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  ■ 賃上げの流れを継続 ~連合が春闘の基本構想を発表~

 ナショナルセンターの連合は、10月24日に2020年春闘の基本構想を発表しました。

 最低賃金を時給1100円以上として、勤続17年(35歳相当)で時給1700円、月給28万500円を目指すとするなど、達成すべき金額や水準を初めて明記しました。

 目標金額を明記することで、雇用形態や企業規模により広がりがちな賃金格差の解消を進めることが狙いとしています。

 基本給を底上げするベースアップも7年連続で要求し、ベアの水準は5年連続の「2%程度」、定期昇給などと合わせて4%程度とする従来型の賃上げ要求も併記しました。

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