昨年の春闘交渉ふりかえりのコーナー

昨年~2019春闘~のたたかいを振り返ってみよう

最終更新日 2020年 2月 7日


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  ■ 中央執行委員会見解を発出  (2019年 3月18日)

 中央本部は2019年度賃金改定妥結に当たり、3月18日付で中央執行委員会見解を発出しました。


2019春闘妥結に関する中央執行委員会見解

 

 東日本ユニオンは2019春闘において、すべてのJR労働者の「労働力の価値」に相応しい賃金の実現をめざし、ベースアップとして「賃金の一律6,000円引き上げ」を柱とする要求を掲げ、2月19日に申第14号「2019年度賃金改善に関する申し入れ」を経営側に提出しました。

 今2019春闘は労働組合に所属しない社員の増加に伴い、今後のJR労働運動のあり方が問われる中、東日本ユニオンは春闘要求満額獲得に向けて、JR労働者の力の結集軸となり得る組織づくりと、春闘が春闘たる「労働者の統一闘争」をめざし「春季生活全組合員統一闘争」として全組合員参加の「春闘」をつくりだしてきました。

 その一つの形が2月24日に開催した「2019春闘総決起集会」でした。集会に向けては「全組合員参加」を課題に据え、年休申請の取り組みに向き合う議論と行動を積み重ねてきました。集会には492名ものJR労働者と家族が参加するとともに、3つの労働組合からも「連帯メッセージ」が寄せられ、分散されつつあった労働側の力の結集へとつなげ、さらには組織拡大へと結実することができました。

 3月4日から始まった団体交渉で組合側は、取り巻く経営環境および中長期の決算の推移をベースに「現在の賃金は、堅実な経営を実現させ続けているJR労働者の『労働力の価値』に相応しくない」「JR労働者の生み出す付加価値は年々増加している」「人件費試算の結果を見ても満額回答は可能」と主張しました。対する経営側は「ベースアップは、物価上昇や生計費等を考慮した上で生産性向上の成果配分を行うことにある」「要求額を財務上支払うことはできるが、配分は経営判断である」との考え方を示しました。

 3月15日に開催した団体交渉の席上、経営側は「定期昇給4係数」とする傍ら、基本給改定として「所定昇給額の6分の1」としたほか「主務職以上の上級職社員への加算」「エルダー社員およびグリーンスタッフの基本賃金への500円の加算」との回答を示しました。

 組合側は「持ち帰り検討」とすることを通告し、中央執行委員会において持ち回り稟議を行い「4係数の定期昇給の実施」「ベースアップの実施」「エルダー社員とグリーンスタッフの基本賃金の改善」については評価できるものの「賃金改定額と要求額との大きな乖離」「社員一律の要求を一切加味せず、社員間格差が広がる分配方式」は、私たちの主張を全く無視した回答であることを確認しました。経営側は「満額の支払いは可能」であるにも関わらず「経営判断」として、今2019春闘における回答は労働側の敗北と言わざるを得ません。

 私たちはこの悔しさを忘れてはなりません。満額回答に必要な要素は「支払い体力」「交渉力」「組織力」「情勢」です。中央本部はこの悔しさを組織強化と組織拡大を通して夏季手当、年末手当の取り組みにつなげるべく、全組合員とともに「春闘総括」に取り組みます。そして、全組合員とひざ詰めでの春闘総括を進め、組合員一人ひとりの一歩飛躍を勝ちとる運動に取り組む決意をもって「2019春闘妥結」を中央本部として判断しました。 

 最後に、今2019春闘における全組合員による運動を通じて、組織強化・拡大を実現させることができました。この成果を基礎として、直面している業務諸課題をはじめ安全問題や政治課題など一つひとつの課題に挑むとともに、さらなる東日本ユニオンの強化・拡大とJR労働者の力の結集をめざしていきます。その先頭で中央執行委員会が奮闘する決意を申し上げ、2019春闘妥結に関する見解とします。

 2019年3月18日

 JR東日本労働組合

 中央執行委員会

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  ■ 第3回団体交渉 (2019年 3月15日)


 第3回団体交渉は2019年 3月15日。経営側より回答を受けました。


1.2019年4月1日現在、満55歳未満の社員

 (1)定期昇給を実施し、その際の昇給係数は4とする。

 (2)基本給改定を実施し、社員の基本給に対し所定昇給額の6分の1の額及び、主務職以上及びT等級以上の社員には100円(M等級及びS等級は200円)を加える。

 ※賃金規程第13条から第15条に定める初任給についても、上記基本給改訂に伴い等級にあわせた改訂を行う。

2.2019年4月1日現在、満55歳以上の社員

 基本給改訂を実施し、2019年4月1日現在の基本給額に対し、在級する等級により前項に準じて計算した額に賃金規程附則(平成24年3月8日人達第9号)第3項を適用した額を加える。

※ 第1項及び第2項による社員の定期昇給後の基本給改定に伴う平均改善額は1,050円となる。 

3.前各項の精算については、2019年6月25日(火)以降、準備でき次第とする。

口頭回答

 エルダー社員の基本賃金に500円を加える。

 グリーンスタッフの基本賃金に500円を加える。


 中央本部は経営側からの回答に対して席上妥結はせず、持ち帰り議論としました。

 中央執行委員の持ち回り稟議を行い、妥結を行う判断をしました。

 中央本部は3月18日、経営側に対して妥結する旨を回答しました。

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  ■ 第2回団体交渉 (2019年 3月11日)

 第2回団体交渉は2019年3月11日。 「中長期的に見て利益水準の維持などを注視していく必要がある」という経営側に対し本部交渉団は、「今年度の決算は2016年の業績を超えるほどに近づいている。中長期的な振り返りをした正当な成果配分を強く求める」として満額回答を求めました。


◆ 組合側の主張(要旨)

  • 東日本大震災から8年が経った。亡くなった方に対し哀悼の意を表する。鉄道も甚大な被害を受けた。そこから現場社員は今日まで懸命に努力し、今に至る経営状況を生み出してきた。東日本大震災の復興は、未だ道半ばであると言える。あらためて復興、復旧にむけて鉄道労働者にとっての課題を明確にして、その最前線で奮闘していく決意だ
  • 私たちは一律で6,000円の要求をしている。「パーセント」ではなく「円」の要求だ。昨年の賃金改定は、「パーセント」であり、配分は若手に厚くということであった。労働組合の要求とは違った。労働組合が申し入れを行い、団体交渉を開催している。労働組合の要求を歪曲した回答は認められない
  • 増収・減益というのは対前年によるものである。近年の決算状況は、利益の高止まりで移行しており、今年度の決算は2016年の業績を超えるほどに近づいている。中長期的な振り返りをした正当な成果配分を強く求める

◆ 経営側の主張(要旨)

  • ベアの基本的考え方について、物価上昇や生計費の水準、施策的要素、あるいは賃金カーブがどのようになっているのかなどをそれぞれ考慮し、生産性向上への成果配分が基本的な考慮要素である
  • 当社の基本給は一つでまとまっている。(職責や資格、等級、年齢に応じた生計費水準)さまざま勘案した上で総合的に決定していく性格をもっているので、会社としては職責も非常に重要だと考えているが、それだけをもってのみ判断するのではなくて、総合的に考えて決定している
  • 一律の要求をいただいた。それを否定するものではないが、会社としてはベアの実施方法はさまざまある。定額実施もあれば昨年のように「パーセント」と初任給を組み合わせて行う方法や職制ごとの所定昇給額をベースにして行う方法もある。一つのやり方で固定するよりはバランスを見ながら実施すべきであると考えている
  • 職責や率など一律ではないものもベアにおいては有用であると考えている
  • 決算は断面をもって判断するものではない。今回、総合的な判断をした上で会社として中長期的に見て「利益水準の維持」などを注視していく必要があると考えている

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  ■ 第1回団体交渉 (2019年 3月 4日)

 第1回団体交渉は2019年3月4日。組合側から要求の趣旨説明を行うとともに、経営側から現状認識の説明を受けました。


◆ 組合側の要求趣旨説明(要旨)

  • 7期にも及ぶ増収を実現してきたJR労働者であるからこそ、今期の営業収益を当初の計画より大きく伸ばし費用による影響を最小限に抑えてきた。このことからしてもJR労働者の労働力の価値は非常に高いと言える
  • さらに業績を大きく伸ばすであろうプラス要素が控えている。短期的にみればGWの10連休がある。その期間には非常に多くのお客さまが当社を利用することが予想できる。また、当社の業績を支えているインバウンドについても、昨年一年間に訪日観光客数は過去最高の3,119万人と発表されている。そして来年2020年には、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックの開催が控えている。政府は訪日観光客数を2020年には年間4,000万人の達成を目指しており、就労や技能実習などで日本に来られる外国人と合わせれば、当社の業績に与える影響は決して小さくないと見ている
  • 会社発足以降、さまざまな効率化施策が推し進められJR労働者の労働密度は年々高まりつつある。社員が年々減少している一方で、JR労働者が生み出す付加価値は年々増加している。しかし、当社の労働分配率は年々減少傾向にありJR労働者の生み出した付加価値は適正に分配されていないということは、労働者側の主張の一つとして申し述べる
  • 私たち組合員・社員は労働者である。経営ビジョンに描かれている、「働きがい」や「仕事を通じた達成感・充足感」を得る前提として、本質的には「生きていくために働く」ということである。さらに言えば、「生きていくこと」とともに組合員・社員によっては家族を「養っていくこと」もある。決して抽象的ではなく、リアルに「生きていく」「養っていく」ために私たちは働き、賃金を得ている
  • その他にも自らの時間を活用し、外国語会話のレベル向上や部内外の資格習得に向けた努力など、単に勤務時間中という枠の中ではなく、自らの時間をも活用しながら経営ビジョン「変革2027」の実現と、当社グループの信頼をより高めていくことに向けて努力していることを経営側は強く認識すべきである

◆ 経営側の現状認識(要旨)

  • 基本給改定は、中長期的な経営見通しを踏まえ、環境の変化に対応するための生産性向上に対する社員の貢献への成果配分、これを基本として物価上昇を踏まえた生活保障、年齢に応じた生計費の水準を考慮要素として、これにベテラン、あるいは若手への重点配分など、時々の社会状況に応じた施策的要素を加味し、毎年度の経営状況を勘案した上で、労使間の議論を経て決定するものであると考えている
  • 基本給改定等の社員還元のみならず、多様で柔軟な働き方の実現等の総合的な処遇改善により、さらなる働きがいの向上、社員・家族の幸福を実現するという好循環をしっかりと生み出していく必要があると考えている

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  ■ 申14号として賃金改善の要求を提出 (2019年 2月19日)

 2019年賃金引き上げ要求の提出は、2019年2月19日。申14号・2019年度賃金改善に関する申し入れとして経営側に提出しました。


 2019年度賃金改善に関する申し入れ  (2019年2月19日申し入れ)

 すべてのJR労働者は新たなグループ経営ビジョン「変革2027」を我がものとし、これまでの「鉄道を基点としたサービスの提供」から「人が生活するうえでの新たな価値の提供」への転換に向け「自らの変革」に向き合い続けています。そして、仕事において変えるべきこと、変えてはならないことを見極め、自らがイメージする当社グループの10年後の実現に向けて日々の努力を積み重ねてきました。

 1月30日に発表された当社の「第3四半期決算」は単体で営業収益・運輸収入を7期連続の増収とするとともに、第3四半期決算としては過去最高としました。一方、利益では費用の増加によりすべての利益で減益を示したものの、すべてのJR労働者の努力は営業収益を当初の計画より大きく伸ばし、費用による影響を最小限に抑えてきました。

 しかし、常に自らの労働力の質を高め、結果を出し続けるJR労働者の賃金実態は未だ適正値とは言えません。5年連続の賃金改善を経ても生活は向上に至らず、10月に予定されている消費税の10%への増税は家計の先行きを不透明にし続けています。

 自らがイメージする当社グループの将来像を実現すべく、日々の仕事に向き合うJR労働者の姿勢に対し、経営側はその「労働力の価値」に相応しい賃金を支払う責務があります。

 したがいまして下記の通り申し入れますので、経営側の真摯な回答を要請します。

  1. 基本給ならびに初任給を、社員一律6,000円引き上げること。
  2. 定期昇給を実施すること。昇給係数は4係数とすること。
  3. エルダー社員の基本賃金を、一律6,000円引き上げること。
  4. グリーンスタッフの基本賃金を、一律6,000円引き上げること。

 

以 上

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