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■ なぜ一斉にたたかうのだろう? |
春闘では、数ある労働組合がバラバラに賃上げの要求を行うのではなく、一斉に取り組む「統一闘争」の形態をとります。 要求や交渉を行うタイミングだけでなく、要求額や内容も統一する業種もあります。 要求をする側である労働組合には、組合員の人数や組織率など組合によってたたかう力に差があります。 要求を受ける側の企業にも規模や業績などの違いがあるうえ、将来にわたる人件費増という負担を簡単に受け入れることはしません。 すると、大企業で業績も良く、労働組合の力もある所では賃上げを勝ち取れても、そうではない企業では要求を勝ち取ることができないということが起きます。 そこで、他の企業の労働組合と団結して、同時期に一斉に要求・取り組みを行います。 力のある労働組合の主導で「賃上げ」や「労働条件の向上」を取り組み、相場を全体的に引き上げます。こうした「統一闘争」が春闘の本来の姿といえます。 そのため、春闘はまず、自動車や鉄鋼、電機などの大企業の労働組合から交渉が始まり、その後中小企業へと交渉が移っていきます。 反面、大企業の交渉で低額回答となると、相場全体が低額に抑え込まれるということにもなります。 |
■ 春闘とは何だろう? |
春闘は、正式には「春季生活統一闘争」などと言い、略して「春闘」と呼びます。文字通り「春」に「生活向上」のために労働組合が「統一」して「闘う」労働運動です。 賃金の引上げを中心として、労働時間の短縮などの労働条件の改善を求めて、業種や産別の枠を越えて各労働組合が一斉に取り組みます。 労働側が統一して一斉に取り組むことで、より大きな成果をあげることを目的としています。 そのため、大企業だけでなく、中小企業などの労働組合も同じ時期に統一して取り組みます。 賃金をはじめとした1年間の労働条件が決定される重要な取り組みが「春闘」です。 |